IE9ピン留め
『市民派議員になるための本』「産婆」役の立場から 上野千鶴子 P269~270


『市民派議員になるための本』 おわりに P267~268


『市民派議員になるための本』第一部「市民と自治」P24~25


第2章 無党派・市民派とは・・・
2-3 女ならだれでもよいのか?
2-4 無党派・市民派議員になにができるか?
『市民派議員になるための本』第一部「市民と自治」P22~23


第2章 無党派・市民派とは・・・
2-1 無党派・市民派議員とはだれか?
2-2 無党派・市民派議員とはなにか?

『市民派議員になるための本』第一部「市民と自治」P20~21


第1章 自治とは・・・
1-4 「市民の政治」とはなにか?
1-5 「市民参加」とはいうけれど
コラム「市民参加」
『市民派議員になるための本』第一部「市民と自治」P18~19


第1章 自治とは・・・
1-1 自治とはなにか?
1-2 「市民」とはだれか?
1-3 住民自治とはなにか?
『市民派議員になるための本 ~立候補から再選まで』


『市民派政治を実現するための本 ~わたしのことは、わたしが決める』
# by midori-net | 2009-12-16 23:06
2009年「M&T企画/議員と市民の勉強会」
テーマ「議員の仕事・市民の仕事~まちをかえるのはあなた」
◆第2回「実践編 まちをかえるのはあなた 基本は情報公開 議会改革も」
2009年11月7日(土)13時~8日(日)12時 「ウィルあいち」
講師:寺町みどり&ともまさ 
 
【各セッションの内容およびタイムテーブル】
13:00~13:05 スケジュール説明(みどり)
13:05~13:20 「9月議会での出来事で話したいこと」

【セッション1】13:20~14:20 
テーマ「議員の仕事・市民の仕事/まちをかえるのはあなた」

1.議員と市民でできること、できないことの区別
  /直接民主主義の手法の説明、比較表               
2.まちをかえるのはあなた~事業・政策の課題設定から実現(変更・廃止を含む)まで
  ~ニーズを満たす 

【セッション2】14:40~17:40
テーマ「一般質問の組み立て方/「質疑」は作戦と構成が要る~さらなるスキルアップのために」

1.一般質問の組み立て方~一般質問をじっさいに立論する       
2.獲得目標に届くためには、「質疑」「質問」は作戦と構成が要る
3.さらなるスキルアップのために
4.質問の組み方~立論と質問項目について
5.参加者全員でディスカッション            
        
【セッション3】18:00~20:00
テーマ「議会改革/あなたの議会の納得できない慣例を変えるには」

1.議会運営に関する基本を知る=地方自治法、会議規則、委員会条例     
2.議会での「オモテ」と「ウラ」~「オモテ」の会議が意思決定につながるルール
●アンケートの回答を元に「会議規則」、「委員会条例」と乖離した現実を具体的に摘示する  
3. ディスカッション「議会で起きること、現実・慣例をどのように変えるか」 
【セッション4】11月8日(日)9:00~11:30
テーマ「基本は情報公開/情報公開文書の評価、情報公開度、非公開のときの対応」

1.基本は情報公開。議員と情報公開、市民と情報公開            
2.自治体の基本支出に関して情報公開請求した結果の見方と分析の仕方
  それぞれの情報公開文書の評価、情報公開度           
3.議員の仕事のステップアップ=予算審議の資料の充実(次回の課題の説明)
4.役所を開く=非公開のときの対応の仕方=異議申し立て=別のチカラをつける
5.住民監査請求の仕立て方=議論の別のチカラをつける(次回の課題の説明)  
6.あんなこと、こんなこと ディスカッション               




# by midori-net | 2009-12-16 22:57
 議員の仕事の在り方が問われ続け、最近は、いろいろな集まりや勉強会が企画されています。
 集団で何かしようという以前に、議員の仕事の基本は、議員一人ずつのレベルアップにあるのは当然です。

 実践的かつ実戦的な議員活動、議会活動ができるようにと、連続の講座を企画しました。
 議員は4年がいのち。私たちの講座は、いつも、目からウロコの講座、といわれています。

 政党や組織などの議員はそちらで勉強できますから、この講座の対象者は、「無党派・市民派の議員および立候補予定者」とします。
 先着15名。
 もし、この案内をご覧いただいたら、知り合いの方に勧めていただけると嬉しいです。
 転載、転送歓迎です。 

2008年
 「議員としてのスキルアップの連続講座」開催のご案内

講座の案内文 3ページ 印刷や転送用のPDF版 189KB


    
(どの写真もクリックすると拡大。写真右下あたりのクリックでさらに拡大)

                                    
 議員に当選したものの方針や見込みが立たない人、課題はあるものの停滞している人、議員を続けては来たけど行き詰まっていると感じる人、知らないうちの“マイペース”にはまっている人、悩みが多いのが現場とはいえ、転換するのは自分のちから。

 議会の基本を押さえつつ、成果のある議員活動をするためのスキルアップ講座を連続で開きます。
 連続で参加されることを前提に内容を組み立てています。
 3回の受講後は 「ひとがかわる」 はず。

 議会活動の基本と原則は、議員の数(人数)に頼るのでなく、各種の手法とテクニックを知り、かつ使いこなす実践に尽きます。
「無党派・市民派」議員として議会で働くために、勉強会でさらなる力をつけましょう。

 参加を希望される方は、寺町知正まで問い合わせください。
    (メールとFAXの両方で)
 M&T企画の勉強会にはじめて参加される方は、申し込み方法をお電話でお問い合わせください。 
 講座内容について、不明の点は寺町知正までお尋ねください。
    (先着順。定員15名)

【日時・場所】
  第1回 2008年8月22日(金)13時~23日(土)12時 
               「ウィルあいち」(名古屋市)
  第2回 2008年10月24日(金)13時~25日(土)12時
               「ウィルあいち」(同)
  第3回 2009年1月下旬か2月上旬の金・土曜 (近日中に確定) 
                    (ウィルあいちを予定)

【基本構成】
  第1回 「議会で働くために、まず各種の基本を身につける」
  第2回 「議会活動のレベルアップ、各手法の実践的テクニックを身につける」 
  第3回 「一般質問と議案質疑の組み立て、情報公開、不正支出、予算審議対策」
  ※ 各回とも、講座終了後、希望者の任意の相談があれば応じます。

●会場:「ウィルあいち」(名古屋市内)  
 講師・寺町みどり&ともまさ 

《講座対象者》 「無党派・市民派」の議員および立候補予定者
        (初めての参加者は、別途、誓約書の提出あり)
《参加費》 1万5千円 (2日間の通し)
        (宿泊&夕食あり=別途約5千円)

《締め切り》先着順。定員15名になり次第受付終了

《問い合わせ&申し込み先》 寺町知正 (岐阜県山県市議) 
    mail tera-t@ktroad.ne.jp  tel/fax 0581-22-4989  
   (原則として部分参加はお断り) まず、お問い合わせください。

《共催》 M&T企画(寺町みどり&ともまさ)
     「女性を議会に 無党派・市民派ネットワーク」


 第1回 「議員としてのスキルアップの連続講座」 
●日時:8月22日(金)13時~23日(土)12時
 ●会場:「ウィルあいち」(名古屋市内)  講師・寺町みどり&ともまさ 

「議会で働くために、まず各種の基本を身につける&決算審査対策」

スケジュールおよび内容
 8月22日(金)13時~20時 
《セッション1》「議会の基本を知らないと議員活動は安易に流れる」
 ・議会とはなにか-基本的な議会のルールと流れ
 ・議会における議案とは何か。本会議と委員会。審議・審査とは何か

《セッション2》「原則に基づく的確な発言、議論が効果を生む」
 ・質疑とは何か、一般質問とは何か、その違い 
 ・獲得目標の設定が不可欠。質疑・質問の組み立て方/答弁の引き出し方
 
《セッション3》「公的手続きを使うことで影響と効果は倍増」
 ・誰でも都合の悪いことは隠したい=情報公開で真の背景が見えてくる
 ・流れの転換やダメ押しには住民監査請求も=請求することで実力と実績倍増
 ・議会活動、情報公開、住民監査請求などの連係であなたのステージがアップする

23日(土)9時~12時
《セッション4》 「9月議会にむけて=決算審査のために」
 ・予算概論-自治体財務・予算のしくみと流れ、決算審査に向けて
 ・昨年成立の財政健全化法=07年度決算は指標公表、08年度決算から健全化計画

《セッション5》 「議会や行政との関係での具体的問題の解決」
 ・下記の課題に対応して、認識の整理をする

 (課題) あなたが議会や行政との関係などであなたが抱えている問題について、A4用紙1枚 (フォーマットあり)に具体的に書いて、8月10日までに送りください(この用紙に記入することで課題がある程度整理できるはずです)。

※ 参加確定後に、上記課題や講座の進め方の案内などをお知らせします。
    
※ 参加確定後に、宿泊や夕食、朝食など、講座周辺のことの詳細をお知らせします。 
  担当 島村きよみ(愛知県日進市議)  shimamoon@re.commufa.jp 

講座終了後、困りごとなどで任意の相談があれば応じます(希望者のみ)。


 第2回 「議員としてのスキルアップの連続講座」 
●日時:10月24日(金)13時~25日(土)12時

「議会活動のレベルアップ、各手法の実践的テクニックを身につける」

 10月24日(金)13時~20時
《セッション1》「議会改革を=自分の議会がすべてじゃない」
 ・議会運営の問題点-議会の内と外の区別を明確にする
 ・申し合わせの点検・見直し。「自分の議会がすべて」じゃない

《セッション2》 「じょうずに使おう! 直接民主主義の制度」
 ・請願・陳情、直接請求など
 ・民主主義は「ノー」から始まる=異議申立・審査請求など不服申立など

《セッション3》「私のまちの情報公開の問題点と改善」
 ・情報公開の制度と条例、請求のテクニック。
 ・課題の情報(非公開)文書の点検と問題点=改善点
 ・異議申立の仕方、構成、要点。(情報公開訴訟)

25日(土)9時~12時
《セッション4》「議会の議論を鍛える住民監査請求の立論」
 ・住民監査請求の制度とテクニック。
 ・不当支出や違法支出の実例の検討。住民監査請求するとどうなるか
 ・議会議論で決着がつかなければ住民監査請求、住民訴訟も視野に

《セッション5》「議会改革で抱えている具体的問題の解決」


 第3回 「議員としてのスキルアップの連続講座」
●日時:2009年1月下旬か2月上旬の(金)13時~(土)12時

「一般質問と議案質疑の組み立て、情報公開、不正支出、予算審議対策」
    1月or2月  日(金)13時~20時  
《セッション1》「議案質疑を深める」
 ・議論の仕方。議案の争点、質疑の論点、獲得目標の設定の必要性
 ・あなたの具体的事例にあわせて質疑の手法の問題点を検討、他の事例の検討

《セッション2》 「一般質問を深める」
 ・議論の仕方。議案の争点、質疑の論点、獲得目標の設定の必要性
 ・あなたの具体的事例にあわせて一般質問の手法の問題点を検討、他の事例の検討

《セッション3》「まちの情報公開度を高め、支出を斬る」
 ・非公開情報への異議申し立てとその点検=立論・議論の実践でもある
 ・『こんな非公開!」の実例を持ち寄り検討。
 ・実際の住民監査請求の立論と展開の実習。

 1月or2月  日(土)9時~12時
《セッション4》 「3月議会にむけて=予算審議のために」
 ・予算の概論と予算書点検、着眼点や論点などの 《セッション5》「まとめ」

9-4 事務局体制をどうつくるか?

 市民型選挙の活動は、スタートから投票日まで、情報を収集し、話しあいをかさね、目標と作戦を立て、それを確実に実践し、結果を見て、つぎの行動に反映していくというプロセスをたどります。これは政策をつくるプロセスにきわめて似ています。つまり「問いを立て、計画立案し、具体的な政策を策定し、実践し、評価する」という、おなじプロセスをたどるのです。市民型選挙をやっていくと候補者と仲間は、選挙という現場で、このプロセスを実践的に学び、確実にきたえられます。政策まで仲間でつくるわけですから、議員に必須の政策立案能力もつくというわけです。
 この市民型選挙をになうには、運動のカナメとなる事務局体制が必要になります。事務局も「やりたい人がやる」が基本です。
 当選という目標に向けてやるということが大前提で、情報を収集し、具体的な運動を組みたて、方向性を出す、行動方針を決めるということが、事務局の最大の役割です。同時に、仲間たちに情報を発信し、連絡調整することも大切な仕事です。
 事務局体制は、候補者と核になる人を中心に、思いの強い人で、気心のしれた仲間でつくるとうまくいきます。事務局は、運動がすすむとほとんど毎日あつまって話しあいをすることになるので、時間の余裕がある人がよいでしょう。人数は4~5人から多くても7~8人。事務局は、方針を決めるときにゲキ論になることがありますし、選挙には作戦上、外に出さないほうがよい情報もありますから。
 事務局メンバーが決まったら、候補者はその人たちの家にごあいさつに行くといいでしょう。事務局になる人は候補者と同じくらいの時間を選挙にさくことになるので、先制して、夫や家族に候補者みずから了解を取っておくのです。
 わたしは選挙のとき、中心メンバーの家を「今後○○さんにお世話になります。ご家族にはご迷惑をおかけすることになると思いますが、よろしくお願いします」と一軒ずつ訪問しました。「ワザワザ来てもらわなくても」と言われましたが、その後、彼女たちが家をあけやすくなったのは言うまでもありません。
 「候補者がアタマをさげる」ことも、効果的なひとつの作戦になります。 
 
9-3 集会で仲間をふやそう

 口コミである程度の仲間がひろがったら、カオあわせの集会を開きましょう。
 このとき、市民型選挙の原則や方針を共通認識としておくとよいと思います。候補者にはじめて会う人もいるでしょうから、候補者の思いをしっかりと伝えることが大切です。投票日まで仲間としてやっていくことになる人たちですから、参加者にも自由に思いを語ってもらいましょう。ここで出た願いや意見は政策としてかたちになることが多いので、記録をキチンととること。運動に参加するかどうか決めずに誘われてきてる人もいるでしょうから、集会のシカケ人は、できるだけ前向きな話題を提供しましょう。仲間が数人しかいないなら、集会というより会合でもいいのです。
 この後、告示日まで、積極的にミニ集会を組んでいきましょう。集会に大切なのは、あつまった人の数ではありません。ひとりでも仲間がふえれば大きなチカラになります。だから、候補者を自宅に招いて友人と話を聞きたい、と頼まれたらどこにでもでかけましょう。候補者は、事務仕事をするよりは、まちに出てヒトに会うことを重点に。候補者はひとりしかいないわけですし、市民は候補者に会って話したいものです。ミニ集会をかさねて、候補者に共感し、自発的に動いてくれる支持者がふえれば、運動は確実にひろがります。この人を応援したいと決めた人は、候補者が休んでいるときも寝ているときも、まちを走りまわってくれます。
 市民型選挙は、一票ずつを積みあげるたし算の選挙であると同時に、支持者が自発的にひろげるかけ算の選挙でもあるのです。
 個人と個人が自発的に相乗的に動くとき、ヒトの動きはうねりとなって、新たな風を起こします。おなじ立場の市民は、この女たちの変化の風を、きっとまちのどこかで感じとるでしょう。


9‐2 ヒトからヒトへどうひろげるか?

 市民型選挙では、ヒトとヒトのつながりが最大の資源であり、財産です。政策を決めてからは、リーフレットで市民にメッセージを届けることが大切ですが、まだなにもかたちがない段階で、どのように運動をひろげ、仲間をつくっていったらよいのでしょう。
 なにか運動をしようとする時には「ヒト・モノ・カネ」が動きます。ヒトとモノとカネは自然に勝手に動くわけではなく、動かすには「運動をになう人=シカケ人」がいるということを理解しましょう。
 ヒトからヒトへ運動をひろげるのにいちばん威力を発するのは「口コミ」です。口コミで伝わる情報量の多さとはやさはオドロキです。なにか起きたとき、翌日にはみーんな知っていたという経験はだれでもあるでしょう。これを興味本位の井戸端会議としてではなく、作戦として、選挙にかかわると決めた人が、この人と思った人に思いを伝え、仲間をふやしていきます。友人たちに電話をかけまくってもいいし、FAXや電子メールを送ってよいでしょう。市外の友人にもはやめに伝えましょう。この段階はまだ不特定多数の市民が対象ではありません。自発的に動く仲間がふえるほ
ど、運動はひろがります。メッセージを受けとる市民を「ひとり」とすると、メッセージを発する「ひとりの仲間」は「千人力」のはたらきをします。運動を立ちあげるのは、ある程度の仲間があつまってからのほうがよいでしょう。すでに動きだしている運動に途中から加わるより、最初から加わってつくりあげていくほうが参加意識が高まります。
 その時期を判断し、運動の作戦を立てるのは、候補者と核になる人たちです。そのひとまわり大きいネットワークが運動の仲間。「みんないっしょに平等に」がよいと考える人がいますが、選挙にかける思いの強さは人それぞれ。選挙の情報は平等に均一にひろがるわけではありません。
 

第9章 仲間をどうつくるか?

9‐1 信頼できる核はあるか?

 選挙をするときに、必要なものはなんでしょう?
 市民型選挙で必要なものは、「候補者、仲間、市民」です。この章では、仲間をどのようにつくっていったらよいのかを、考えてみましょう。
 すでに「政治を変えたいね」と話しあっている数人の仲間がいて、そのなかのだれかが候補者にきまっている場合もあるでしょう。候補者が決まっているとすると、つぎに必要なのは核になる仲間、候補者といっしょにホンキで選挙をになう人です。市民型選挙をしたい人から「おカネはいくらぐらいで、何人いればできますか?」という質問をよく受けます。「わかりません」と答えるのがほんとうなのでしょうが、経験的に「ホンキの5人と30万円」と答えています。
 核になる人の第1の条件は、とにかく候補者自身がなんでも話せて信頼できることです。かならずしもいままで市民運動をやってきた人でなくてもよいでしょう。市民運動は好きじゃないけれど選挙ならやりたいという人もいますし、選挙だけはキライという人もいます。政治を変えたいという仲間たちと、新たな運動をつくっていくのが市民型選挙です。 核になる人は、候補者の意中の人がいれば、その人にお願いするのが最善です。ここは他人の評価ではなく、候補者自身の直観を信じましょう。
「仲間のなかからえらばねば」と話しあって決めると、候補者がニガテだと感じている人が選ばれたりします。ことわると気まずい関係になるし、譲歩すると最後まで苦しい選挙になるでしょう。あわない人とはぶつかり続け、候補者のストレスとなり、途中で決裂ということもあります。
 核になる人がすぐ見つからない場合は、役割を固定せずに、いっしょにやっていくなかで、この人ならという人を見つけましょう。
 核になる人の資質と条件は、「候補者を支えることができる」「仲間から信頼される」「時間が自由になる」「調整能力がある」「ものごとに動じない、かつ柔軟な判断ができる」「ネガティブな発想、発言をしない」などです。
 この条件をすべてクリアしていなくてもよいのですが、まったくこの条件にあわない人は避けたほうがよいでしょう。よく読むと、候補者に必要な資質と共通します。
 運動をになうことができる人は、候補者にもなれるということです。責任者になる人はひとりですが、こういう人が、ほんとうに5人も見つかれば最高です。


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8‐4 選挙違反はしない

 どんな表現で有権者にメッセージを伝えても、8-1の「事前運動の禁止」に抵触しなれば選挙違反にはなりません。公選法をむやみにこわがることはありません。
 市民派候補は、おカネをかけないキレイな運動をウリモノにしているので、不正をするなんて、だれも思っていません。選管にしてもケイサツにしてもおなじです。ケイサツが摘発するのはほとんどが「買収行為」です。
 自治体の選管は、従来型の選挙しか知りませんし、やってよいことといけないことをチャンと理解していない場合が多いので、公選法の解釈(できること、できないこと)を選管に問いあわせるのは時間のムダ。聞けばほとんどダメと言います。選管は事前の行為を注意するところで、ケイサツはやった行為の違法を判断するところ。政党系候補者は、公法違反スレスレという文書でも、警告覚悟で平気で配っています。ケイサツのほうが選挙妨害といわれるのをビビって動きません。
 このように文書はかなりキワドイこともできますが、公選法違反をあえてする必要はありません。ガケから落ちないところまでちゃんと知っていれば、公選法の範囲内で、じゅうぶん政治活動や選挙運動ができます。「わたしたちキレイな手づくり選挙をすすめています」と言いながら、できること、思いつくことを、ノビノビたのしくやりましょう。

《法律条文》
・〔選挙事務の管理〕 公職選挙法第5条
・〔選挙管理委員会の設置及び組織〕 地方自治法第181条
・〔職務権限〕 地方自治法第186条
・〔選挙の自由妨害罪〕 公職選挙法第225条
・〔職務濫用による選挙の自由妨害罪〕 公職選挙法第226条
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8‐3 どこまで許されるか?

 政治家には、「政治活動」は許されていますが、選挙の「事前運動」は禁止されています。コトバのちがいだけですが、合法・違法の決定的なちがいとなりますので、厳密に区別して使うようにしましょう。
 一般的な「政治活動」は、政治団体へのお誘い、政治活動への理解を深めるための文書の配布や、集会を開くことなどができます。
 議員なら、議会だよりの配布も政治活動です。一般的に、現職議員のほうがひろく許容されます。なぜなら4年間政治活動をしている実績、告示日直前までが政治活動と解釈され、選挙の事前運動とみなされないからです。議員が選挙前に名刺を配って歩くことは「売名行為」とみなされますので注意してください。
 ホンバンの「選挙」のための「立候補の準備行為」(11章)は許されています。選挙カーやポスターや選挙はがきは、事前に準備しないとまにあわないからです。
 候補者になりたい人が、自分に対する支持状況を調査する「瀬踏み(せぶみ)行為」もOKです。これは「わたし出たいんだけどどう思う?」ってあちこち聞いてまわることです。
 刑罰が課されるおもな選挙犯罪には、「買収罪」「おとり罪」「選挙の自由妨害罪等」「虚偽事項公表罪」「文書図画の制限違反罪」などがあります。このうち市民派候補が注意をしなければならないのは、選挙期間中だけはリーフレットやニュースなどの「文書図画(この場合“ずか”ではなく“とが”と読みます。ご存じでしたか?)」が配れないということです。
 選挙本番での、言論(はなしことば)による選挙運動は、ほんらい自由にできるもので制限をしないタテマエとされています。なぜなら、人物、政策を有権者によく知らせることが選挙運動のほんらいの目的だからです。コトバによるもので、まったく禁止されているのは「戸別訪問」。一定の制限のもとにできるのが、「個人演説会」「街頭演説」「連呼(れんこ)行為」。自由にできるものは「電話利用」と「幕間(まくあい)演説」であることを覚えておきましょう。
 インターネットなどのニューメディアを利用しての政治活動は、現行の公選法の想定外ですが、告示前に表示したものについては、告示中に手を加えなければ、現時点では黙認されています。

《法律条文》
・〔選挙期日後のあいさつ行為の制限〕 公職選挙法第178条
・刑罰が課される選挙犯罪~〔買収及び利益誘導罪〕同法221条、222条、223条、〔おとり罪〕同法224条の二、〔候補者の選定に関する罪〕同法224条の三、〔選挙の自由妨害罪〕同法225条、226条、〔投票の秘密侵害罪〕同法227条、〔投票干渉罪〕同法228条、〔虚偽事項の公表罪〕同法235条、〔事前運動、教育者の地位利用、戸別訪問等の制限違反〕同法239条、〔選挙運動に関する各種制限違反、その一〕(文書図画の制限違反罪)同法243条
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8‐2 政治活動とはなにか?

 「政治活動」とは、「政党、その他の政治団体が行う宣伝活動や、個人の講演会」のことです。選挙の告示日までにできる政治にかかわる運動が「政治活動」です。
 「政治団体の届け」をすれば、カンパをあつめたり、カンバンを立てたりできます。「政治団体の届け」は、選挙と候補者を特定することが届け出の要件になっていますので、役所に文書で届け出た時点で立候補予定者とみなされます。
 市民型選挙に不可欠の、リーフレットやニュースなどの政策を書いた文書の作成や配布は、この「政治活動」にあたります。文書を作成するときは「選挙の3要素」を書かないように、記載内容をじゅうぶんチェックします。文書は「うごかぬ証拠」となるので、公選法に違反する文書が市民に配布されると摘発されることもあります。
 市民型選挙は「名前と政策」をメッセージとして届け、投票してもらうので、当選するためには、合法的に名前を覚えてもらうことが必要です。当選を意図して立候補予定者の名前を強調する「売名行為」ととられないようなリーフレットをつくりましょう。
 支持者をひろげるときは、公選法の「個別訪問の禁止」に抵触しないように注意します。戸別訪問とは、「不特定多数の有権者宅を、無差別に連続に訪問して、投票の依頼をおこなうこと」です。政治活動の賛同者をふやすために、3要素に抵触しないようにリーフレットを配ることは禁止されていないのですから、公選法は一般的には理解しにくい法律です。この本ではここまでしか書けませんが、公選法に抵触しない(法のウラをかく)マル秘のテクニックもあります。
 また候補者となろうするもの、または公職にあるもの(長・議員)は、選挙区での年賀状、見舞状、これに類するあいさつ状は、いっさい禁止されています。これも証拠が残りますので、立候補しようと思ったら、出さないことが最善です。

《法律条文》
・〔戸別訪問〕 公職選挙法第138条
・〔あいさつ状の禁止〕 公職選挙法第147条の二

《用語解説》
・政治活動とは→政党その他の政治団体が、「政治上の主義・主張を同じくするものを組織化して綱領政策を決定し、これを国民の間に普及宣伝し国民の指示を求め、選挙に当たって多数の議席を獲得して自己の政策の実現を図る」ことです。
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『市民派議員になるための本』(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
第8章 公選法をどう使いたおすか?

8‐1 公職選挙法とはなにか?

 「選挙」に適用される法律はただひとつ、公職選挙法(公選法)です。
 自治体(議員)選挙から、国政選挙まで、全国のどの選挙にも共通です。公選法は選挙期間だけでなく「政治家」に対して日常的に適用されますので注意してください。「政治家」とは「候補者になろうとするもの=候補者等」で、現職議員も、落選中の候補者も含まれます。
 「公職選挙法」は「だれもが平等に立候補し、かつ公平な選挙運動ができるように定めたもの」だそうですが、禁止事項が多いわりには、アミの目が粗いザル法です。
解釈と運用に幅があり小魚も大魚もとりにがす「法は法でも悪法」です。
 公選法は、違法な「選挙運動」を取り締まるものです。
 「選挙運動」とは、選挙期間中に許される、①特定の選挙において、②特定の候補者を当選させるために、③選挙人にはたらきかける行為です。これを「選挙の3要素」といいます。この選挙運動は、逆に告示日以前はいっさい禁止されています。これを「事前運動の禁止」といいます。
 事前運動とは、「立候補の届け出前の選挙運動のこと」です。つまり「①いつ、どの選挙に、②だれが立候補し、③投票をお願いすること、の3つを選挙の本番以外でしてはいけません」ということです。カンタンにいうと、「いつ、どこで、だれが、どの選挙に出るかを言っていけないし、投票依頼をしていけない」ということです。
 公選法は禁止の多い複雑な法律だと思われていますが、ようするに、文書でも、話し言葉でも、この3つをしなければよい、と覚えてください。
 公選法は罰則がきびしいので候補者にこわがられています。でも公選法をチャンと理解すれば、だいじょうぶ。公選法は、国の法律なので全国共通です。法律は公平に適用されますので、どこかで使えたノウハウやスキルは、全国どこでもマネできます。もしもどこかのまちで使えないとすれば、そのまちの選挙管理委員会(選管)やケイサツの解釈と運用がまちがっているのです。

《法律条文》
・〔一般選挙、長の任期満了に因る選挙及び設置選挙〕 公職選挙法第33条
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7‐4 地域とはキョリをおく

 99年の「候補者アンケート」の回答で、「立候補する際の障害」で「家族」とならんで多かったのが「地域」です。地域のなにが障害になるのでしょうか。
 ひとつは、地域にすでに現職議員がいる場合です。「地域からの支援く、町内会役員(男)がぜんぶ現職議員を応援するなか、地道な草の根の後援会会員を少人数あつめ、そのなかでボランティアでたたかった」。
 この回答が地域型選挙のすべてを語っています。
 地域(自治会、町内会)は地区の代表を議会に送りだし、自分の地区の道路改良などの利益誘導を期待します。この地域代表議員は、まち全体のためにはたらくことや、議会で発言することを期待されていません。そんなヒマがあるなら、ヨソの地区より少しでも多くワガ地区に予算を取ってきてほしという利害がむきだしです。そんななかで、市民型選挙をしようとしても、妨害されるか、地域を分裂させるウラギリものと白い目で見られるかのどちらかです。
 現職議員がいない場合もおなじようなものです。地区の有力者たちは議員が欲しいので、「女だけどいないよりはマシ」と思って、応援したいと言ってくる場合があります。なにもしなくても支持者がふえるわけですから、この申し出は魅力的です。でも地域と仲よくしたいと思って応援を受けいれれば、多かれ少なかれ当選したら利益誘導するように言われます。応援してやったんだから、その分のモトは取るという従来型の選挙の発想です。市民型選挙で出た無党派・市民派議員は、この発想自体を根本から否定するわけですから、とうてい両立するわけがありません。それに地域ぐるみ選挙は、公選法に反します。
 地区の道路改良が、議員がいないために他地区より遅れているのが事実ならそれが問題なのです。自分の地区の利益誘導ではなく「議員の利益誘導をやめさせ、税金を公平に使います」という政策を立てればよいのです。
 もちろん、地域の仲間も運動に参加しやすくするためには、ことさらに地域と対立することは避けたほうがよいでしょう。作戦として割りきって、自治会長のところに「市民型選挙をするので地区の推薦は遠慮しますが、個人的な応援は歓迎します」と(立候補の)ごあいさつをかねて訪問するのがおススメです。地区を無視してすすめるよりは、好感を持たれます。ついでに地域の自治会員への「選挙の際にはご迷惑をおかけします」というごあいさつに全世帯をまわるのもよいでしょう。
 いずれにせよ議員活動を考えても、「地域とは距離をおく」のがブナンです。
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7‐3 仲間とどうつきあうか?

 いままでの市民運動と、政治活動や選挙運動は、ベツものと分けて考え、いっしょにやってきた仲間や友人にもそのことを伝えましょう。その意味でも、政治活動をすることを明確にしたネットワークを立ちあげるのがよいでしょう。のちに政治団体届けをすることも考慮し、「○○と◇◇市を考えるネットワーク」のような、候補者の名前を入れ、政治団体であることがわかるようなネーミングを考えてみてください。
 政治活動のスタートの時点で、あつまった仲間で4-2の「行動3原則」を合意しておくと、さきの運動がしやすくなります。運動をすすめていくと仲間同士でもなんらかの対立はかならずあります。選挙は市民運動よりかかわりが深いので、それぞれのやりかたの好みや、思いのちがいが鮮明になります。市民運動をいっしょにやってきても、ホンネで話したこともない仲間もあります。このとき、ホンネでぶつかりあうことを避けても、さきにいっておなじ問題がもっと大きいカタチで噴出します。
「気づいたときに話しあう」が原則です。「やりたい人がやる」は問題ないのですが、「やりたくない人がやりたい人の足をひっぱる」ことが往々にしてあります。そのことを問題点と自覚して話しあう場が必要でしょう。このとき、立候補予定者は、自分もこれだけガンバッテいるのだから相手も、と思わないこと。やりたくてもできない事情があって、結果的にさきに行く人たちの足をひっぱることもあります。
 走るのがはやい人も、ゆっくり歩く人も、どの人も気持ちよく参加できるように配慮するのは、やはり候補者の役目です。たったひとりで選挙に出る決心したことを思いだせば、仲間は来てくれるだけでありがたいものです。選挙は「みんないっしょ」ではありません。それぞれちがう役割を自発的ににない、どの人がいなくても運動はありえなかったと、当選したときに気づくでしょう。候補者はやはり候補者で、タダの市民とおなじではありません。候補者がケンキョであること、ひとりひとりに感謝のきもちを持ち、「ありがとう」とねぎらいの言葉をこまめにかけることが候補者への信頼と求心力になります。
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7‐2 仲間はどう反応するか?

 あなたが選挙に立候補する意志があると聞いた友人の反応は、さまざまです。
 政治を変えたいと思っていた人は大賛成で、今後もいっしょにやろうと言ってくれるでしょう。こういう人には積極的にこれからの政治活動をつくる核になってもらいましょう。 市民運動をずっといっしょにやってきた人でも、政治ギライの人はいます。その人にとっては、あなたの立候補はウラギリと感じるかもしれません。「選挙に出たくてわたしたちを利用したのね」と言って去っていく人もいます。こういう人たちをムリに引きとめようとしないことです。だれにでも新たな運動に参加するかどうかの、選択の自由はあります。決定的に関係がこじれなければ、たのしい市民型選挙を遠まきに見ていて、また参加してくれるかもしれません。
 「イイじゃないの」と言いながら、ホントは自分が出たかったのに、わたしのほうがずっとすぐれているのに、と思う人もいます。この手の人がいちばんやっかいで、さきにいって運動全体のブレーキになることがあります。候補者が仲間のだれから見ても文句なしにリーダーシップがあり、信頼されている場合は起きにくいのですが、ドングリの背くらべの場合に起きやすいようです。ようするにシットが原因なのですが、運動からはなれるわけでもなく、さりげなく立候補予定者のネガティブな情報を仲間に流したり、ホメゴロシをしたりします。本人は無自覚にやっている場合が多いので、この関係に気づいた場合は、相手にあなたの感じていることを率直に話して「運動の足をひっぱらないでほしい」と伝えることが大切です。スグに言えない場合は、すくなくとも運動の中心メンバーに入れないようにしましょう。
 いままでの仲間をひとりも落とさず選挙をやりたいと思わないこと、人それぞれだと覚悟して、相手の意思を尊重することが大切です。
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『市民派議員になるための本』(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
第7章 これまでの仲間や地域とどうかかわるか?

7‐1 候補者になったら周囲はどう変わるか?

 だれかが立候補するというウワサがまちに出まわりはじめると、その立候補予定者へのまちの人たちの対応は、ガラリと変わります。いつものように役所へ行くと、手のひらを返したように親切な対応をされるかもしれません。なんといっても数カ月後には議員になって自分に権力をふるうかもしれない人ですから、当選して役所に来たときにイジワルされたくないのでしょう。タダの市民のときにはイジワルしていたのに、権力関係が逆転したのです。役所の一般職員の議員に対する見方は、こんなもんです。
 立候補をやめさせたい人たちは、アノ手コノ手であらぬウワサを流し、圧力をかけることもあります。このことは12-8「ネガティブキャンペーンが起こったら」の項目であらためて取りあげます。
 いままで「気が強い、ハッキリものを言うヘンな人」だと思われていたのが、「ヤッパリ議員になる人はちがうね」と評価があがることもあります。こういう反応をする人が意外に多いのにおどろきます。タダの市民なら目立つのは許せないけれど、議員なら自分の意見をハッキリ言う人がよいという、市民の期待があるのでしょう。候補者にことさらに近づいてくる人もいます。きっと当選したときに、利益誘導してほしいのでしょう。
 本人が「わたしはなにも変わらないわ」と思っていても、周囲の見方が変わるということは、立候補を予定した時点で、すでに“タダの人”ではなくなるということです。「議員は権力者」であることを周囲の反応は端的にあらわしています。タダの人ではなくなった立候補予定者の言動は注目されます。候補者自身もこのことを自覚して、運動を組みたてることが大切です。
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6‐5 選挙でくらしはどう変わるか?

 選挙にかかわると、予想以上にくらしは大きく変わります。生活が変われば、当然いままでの夫婦や家族との人間関係も、大きく変わります。
 候補者が、夫を説得するために「家事の手ヌキをしません」と口約束して立候補しても、家事をいままで通りできる可能性はほとんどありません。じっさいに動きだすまでは見えてこなかった変化が見えはじめると、「こんなハズじゃなかった」と夫は言うかもしれません。でも現実に、妻は毎日、仲間たちとリーフレットを配りに出かけて家にいないわけですから、なんとか対応すしかありません。子どもたちも、いままでのように、いたれりつくせりの世話をしてもらえないことにスグに気づくでしょう。
 選挙は当選をめざしますので、候補者は投票日まで、この運動に没頭することになります。当選すればしたで議員としてはたらくわけですから、きっと生活はもとどおりにはならないでしょう。決心して動いている候補者は、どんなことが起きても対応する覚悟ができているのですが、家族やまわりはいやおうなく、この動きに巻きこまれます。
 もとに戻したいと思っても、家族が選挙に出れば、選挙というものが、いかに多くの人がかかわる大きなエネルギーであるかということを、身近にいる人は感じざるをえません。候補者はだれから見ても遊んでいるわけではありません。いままで知らなかった前むきな候補者の姿は、家族に大きな影響を与えます。
 生活や人間関係が変わるのは、候補者だけではありません。仲間たちもそれぞれ、選挙にかかわる決心をし、夫や子どもを説得し、運動にかかわります。
 市民型選挙はくらしを変え、家族との関係を変え、ヒトとヒトとの関係を変えます。選挙の前むきなエネルギーは、前むきな影響をまわりに与えます。この影響でくらしも関係もたぶんよいほうに変わるでしょう。いままで変えようとしても変わらなかった夫は家事を少しはするようになり、子どもはひとまわり成長し、子バナレ親バナレもすすみます。 
 だから選挙は「出たもの勝ち」です。
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6‐4 親族との関係をどうするか?

 市民型選挙は、従来型の地縁血縁選挙ではありませんので、立候補の決心を話しにいくかどうかも含めて作戦を立てましょう。 まだ立候補表明をしないつもりなら、なにも話さないほうがよいかもしれません。
口さがない親族から、ウワサはドンドンひろがります。親族は基本的に他人と割りきって、市民とおなじ対応をするのがブナンです。選挙事務所に毎日やってきて、候補者の欠点や、失敗話などバクロされて困ったというケースもあります。信頼している身近な親族は、親とおなじ対応でいいでしょう。
 候補者と、それぞれの人とのキョリをいちど整理しておくとよいのですが、市民型選挙の場合は、いちばん大切にする人は運動をになう仲間たちです。夫も仲間と考えられれば入れてあげましょう。つぎは活動に共感してくれてなにかかかわりたいと考えている市民。その人たちから、ヒトからヒトへ、運動がひろがっていきます。
 たとえ血縁者であってもここにはいらなければ、他人と割りきって、一線を画しましょう。夫でも、親でも、親戚でも、この関係をこえて運動に介入してくると、仲間たちはフユカイな思いをします。候補者が血縁関係を重視すると、市民型選挙の趣旨に反するわけですから、仲間に不信感が生まれます。候補者や仲間はだれかに指示命令されたり、コントロールされる存在ではありません。
 この心配がある人に対しては、はやいうちに候補者自身が、市民型選挙とはなにかを、相手にキッパリと伝えることが必要です。
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『市民派議員になるための本』(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)6‐3 親(自分の親/夫の親)との関係をどうするか?

 同居の親がいる場合は、夫の親でも自分の親でも、かなり生活に影響を及ぼすのでキチンと向きあって話しましょう。でも世代のちがいは、価値観のちがいでもあることが多いので、つよく反対されたらムリに説得しようとしないことです。
 これは、説得をやめるということではなく、なにがなんでも親を説得してからしか動けないという考えをちょっとヨコにおくということです。「反対したらやめさせられる」「言うことを聞かせられる」と親が思っている現実の関係を見なおすチャンスと割りきって、少しいままでの関係よりキョリをおいてみてはいかがでしょう。状況が変われば関係も変わってきます。仲間や夫やご近所が、あなたを立候補予定者と認めていることがわかれば、あきらめるでしょう。
 同居していない親の場合は、立候補を知らせるだけでよいでしょう。いずれも「決心してから伝える」が基本です。立候補する前に「親に相談して決める」という関係だとしたら、親子の関係性にベツの問題があるのではないでしょうか。
 親は、選挙がはじまったら、ほっとかないものですが、ほっといてもらうほうがよい場合もあります。立候補することを話したら大賛成で、なにからなにまで口だしされて困ったというケースもあります。そのほうがよほどメンドウです。親も支持者のひとりとして割りきり、市民型選挙のルールを話して応援してもらいましょう。親の世代の人間関係は思いのほかひろいので、動いてもらえればありがたいものです。
 使える資源は親でも使う、が市民型選挙の基本です。
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『市民派議員になるための本』(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
6‐2 子どもをどう説得するか?/子どもはどうかかわるか?

 子どもというのはとてもデリケートなもので、「カオで笑ってココロで泣いて」ということがあるので、選挙のことはどんな小さな子どもにもチャンと話しましょう。いちばん最初にすることは「子どもにキチンと向きあって、あなたの立候補したい思いと理由を率直に伝える」ことです。これだけで賛成する子どもも多いので、夫よりは関係がこじれていないということでしょうか。
 どの家族もおなじですが、決心してから話すのが基本です。マサカ子どもに相談して反対されたらやめるという人はいないでしょうが、子どもに「やめてほしい」と泣かれるとつらいものです。小さな子どもの場合は、いないときの世話をだれがするかということが問題になりますが、大きい子どもが難色を示したときの説得はそんなにカンタンではありません。子どもは大人とちがう社会に生きているので、「なにしろ目立つことはしてほしくない」「親が選挙に出たら友だちにからかわれる」「親の関心が自分からはなれてしまう」といろいろ心配しています。
 なにを心配しているのか、子どもの意見をジックリと聞くことが大切です。それでも納得しなかったら、子どもとの関係を見なおすチャンス。あなたも親であるだけでなく、意思を持つひとりの人間であることを伝えましょう。でも、子どもにはまちがっても、夫に言うように「離婚してでも出る」「あなたより選挙がだいじ」などというようなタンカはきらないこと。子どもはとても傷つきます。
 じっさいの政治活動、選挙運動にはいると、子どもにかまけていられませんので、子どもとの関係でいろんな問題が起きてくることがあります。そういうことはあると予想して、なにか問題が起きたら、子どもがさびしい思いをしているサインだと受けとって、時間を見つけて子どもと向きあうことが必要です。子どもは、あなたの「自分に向きあう時間=愛情」であることを知っています。
 選挙運動を未成年者がすることは公選法で禁止されていますが、発送の手伝いや、事務仕事はできます。子どもは選挙に関係ないと思わずに、うまく仲間に引きこみましょう。自分で運動を見聞きすると、状況とたいへんさを理解し、あなたの仕事を減らそうと、食事をつくったり家事をしたり自分のことをするようになるでしょう。
 思春期の子どもに恥ずかしいと泣かれたら、「小づかいを倍にするから」という切り札がおススメ。わたしを含めて、これで成功した人は何人もいます。子どもって、デリケートであると同時に現実的なものです。わたしの場合は、小さい子どももたくさんいたので、ビデオを家で見られるように、フンパツして大きなテレビを買いました。
 選挙がはじまると、子どもは強力な支援者になります。「ボクの母さんたのむヨ」と、クラスで選挙運動までする子もいます。小中学校で放課後に、「未来の有権者のみなさん、〇〇です。」とこころをこめて演説すると、子どもたちのこころにいつまでも残ります。 子どもも、明確な意思を持つひとりの市民です。

《法律条文》
・〔未成年者の選挙運動の禁止〕 公職選挙法第137条の2
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『市民派議員になるための本』(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
第6章 家族との関係

6‐1 夫をどう説得するか?/夫はどうかかわるか?

 ここでは候補者を、「結婚している女性」と考えてみました。未婚や男性の場合は障害にならないことが、既婚女性の場合は障害になることが多いからです。
 「夫婦関係は、100人いれば100通りあるので、正解はありません。」「あなたの家族のことは、あなたがいちばんよく知っているハズでしょう」というのが結論です。でもこれではミもフタもありませんから、解決方法をいっしょに考えてみましょう。
 99年4月の自治体選挙の直後、わたしは「女性を議会に!ネットワークあいち・ぎふ・みえ」の37人の市町議会議員候補者(うち男4人)に「候補者アンケート」を送り、32人から回答がありました。
 立候補する際の障害はありましたか?」の質問に対する回答は、「はい」が17人、「いいえ」が13人でした。「具体的になにが障害になりましたか?」と理由をたずねたところ、①「家族」9人、②「地域」9人、③「お金」3人、④「心身の状態」1人、⑤「その他」9人、でした。さらに「障害をどのようにクリアしましたか?」との質問には、夫に関しては、「なにがあっても立候補するんだと主張しつづけ、話しあいをかさねた」「家族には迷惑をかけないことを約束した」「議会の現状を考えると立候補せざるをえないと夫が納得した」「家族は運動の目標として乗りこえることを掲げた。夫の非協力はかえって仲間の参加がしやすくなった。これはおススメ」という回答がありました。
 夫が反対する理由はさまざまですが、おもなものは、①妻のほうが社会的地位が高くなることに難色を示す、②夫婦の力関係を誇示するために反対する、③立候補はよいが、家事が自分にふりかかってくるのを心配している、など。ようするに「男のコケンにかかわる」「妻としてのツトメをいままでどおり果たしてほしい」「自分に火の粉がふりかかってくるのは困る」、ということでしょう。反対する合理的な理由がないのも特徴です。
 夫を説得するときに共通するのは、①立候補を決心してから夫を説得する、②強い決意を示し説得をあきらめない、ということ。説得できなければ、今後の課題として見切り発車する人もいます。さすが市民派の候補者たちです。立候補を決心する前に相談するのは、夫と議論して負ける人は避けたほうがよいでしょう。
 夫に話す前にできることをいくつかあげてみましょう。
 ①長年くらしていれば夫の反応はあるていど予想できるハズだから、答えを予想して説得するための想定問答を立て、シミュレーションする、②反対されてからが説得と考え、反対の理由をたずね、ひとつずつ解決方法を示していく、③強い決意で話しあいに臨むこと、などです。強く反対されたときの最後の切り札は、④「離婚してでも出る」とタンカをきることをおススメします。これでほんとうに離婚になったら、問題はベツのところにあったのでしょう。
 夫の選挙へのかかわりかたについては、①あくまで仲間のひとりと割りきる。夫にも選挙は平場の関係であることを伝える。②かかわるもかかわらないも、夫の自己決定という関係をつくる、③夫婦関係を選挙に持ちこむと、仲間が動きにくい。④候補者に指示・命令する夫ならいないほうがよい。
 だれにとっても、すべてがはじめての経験です。でもいまのところ、立候補したから離婚したというケースは聞きません。当選したら、夫からバラの花束が届いたという人はあります。
 選挙はよくも悪くも、夫とのいままでの関係を決定的に変えます。
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5‐8 選挙は当選をめざす!

 選挙は「たのしいお祭り」であると同時に、ひとつの事業の遂行です。たくさんの「ヒトとモノとカネ」が動きます。これは市民型選挙でもおなじです。
 市民型選挙で多くのヒトが動くのは、たんに候補者のためだけではありません。かかわる人のそれぞれの思いで、「まちを変えたい」「市民派の議員を出したい」「わたしの夢を実現したい」と思って自発的に動くのです。その多様な思いのいきつくところが「当選」です。
 当選してもしなくてもいいから選挙に出たい、あわよくば議員になりたいという人は立候補しないでほしいと、わたしは思います。
 落選してもいいと思っている人はいないでしょうが、当選しなかったときの自分自身へのいいわけのために、軽い気持ちで立候補するということはあります。当選をめざさない選挙は、多くの運動を共にになってくれる仲間にも、投票してくれる有権者に対しても失礼です。候補者が強い決意で動くことが、ヒトやモノを動かします。
 それぞれの選挙は、まちも違い、ひとも違い、おなじまちでも4年後の状況は変わります。選挙には、ひとつとしておなじものはありません。「めざすは当選!」そこに行きつく道は無数にあります。そのどれを選択するかが個別の選挙の作戦。思いつくかぎりの情報をあつめ、仲間と議論をかさね、そのなかでやりたいこと、できることを、具体的に確実に積みかさねていくのが選挙です。当選するために、できるかぎりのことはやったとナットクして投票日をむかえましょう。
 選挙は、かならず投票日に結果が出ます。当選してこそ選挙です。 

《参考文献》
『議員必携』全国町村議会議長会・学陽書房
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5-7 おなじまちに複数の市民派候補者がいる場合、どうするのか?

 市民派の候補者が、複数立候補を予定している場合には、どうすればよいのでしょう? このようなケースは3とおり考えられます。①まず、はじめての選挙で仲間がふたり立候補する場合、②すでに何期目かに挑戦する無党派・市民派議員がいてあとに続く場合、③仲間ではないけれど同じようなタイプの女性が市民派候補として出る場合、です。
 いずれも基本は、「他の候補者とのちがいを強調して、それぞれの選挙に全力でのぞむ」です。立候補を決心したら、候補者どうしも、物理的にも心理的にもニアミスを避け、距離を置くことが大切です。とくにいままで仲間として活動してきたなかで、複数立候補する場合は、同期にしても、期数がちにしても、ふたりが当選するためには、細心の作戦とおたがいの合意が必要です。候補者どうしは、せめて足をひっぱらないことを基本に、おたがいに自分の政策を立て、当選したらまた会おうねとライバルとして全力疾走するのがよいでしょう。わたしもいろいろな試行錯誤をかさねましたが、いまはこれが最善だと思っています。
 ひとりの市民には一票しかなく、ひとりの候補者しか選ぶことができません。だれに投票するかは、有権者の自己決定です。市民の一票は、有権者自身のもので、支持者の票を割るという発想自体が、有権者の意思をコントロールしようとするものでしょう。
 また複数の候補者がセットだと思ってしまうと、市民もどちらに投票してよいか迷いますし、仲間のなかでも支持者を取りあうという守りの発想になり、相手の動向が気になります。選挙は基本的に、候補者の政策を有権者に信任してもらうもので、候補者があらそうものではありません。「たくさんの候補者のなかで、わたしがいちばん市民のためにはたらくよい議員になる」という自信と確信がなければ、ヒトは動きません。有権者も投票してくれません。選挙の運動だけは、なかよくわけあう、といううつくしい発想をすてましょう。
 それに市民派候補者には、「ジバン・カンバン・カバン」のいずれもありませんので、わけあうほどの支持者はいないはずです。仲間のわけかたで困っていると相談を受け、「いったい何千人の仲間がいるんですか?」と問いかえしたことがあります。
仲間もふたりを応援しようと思わず、どちらかの候補者を支援すると決めましょう。
せいぜい百人単位の名簿を取りあうより、候補者のメッセージを市民に届け、支援の輪をひろげることに全力を尽くすことこそ大切だと思います。そのおたがいの動きが相乗効果となり、さらに大きな風を起こし、複数当選を実現させる近道です。似ている候補者こそ、ちがいと独自性を強調して選挙にのぞむことです。
 当選してからも、政策や議員の仕事をふたりでわけるのではなく、それぞれが無党派・市民派議員として、ひとりの議員の権力と権限を最大限有効利用して、市民のために全力ではたらくのがよいでしょう。
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5‐6 いつ立候補を表明するか?

 「立候補を表明する」ということは、特定の選挙の立候補予定者になるということです。「立候補をしようとするもの=候補者等」は、公職選挙法(公選法)の対象になります。逆にいえば、だれの政治活動にも関係ない市民運動をしている間は、公選法が適用されません。特定の候補者を応援するための運動は、政治活動とみなされます。
 「選挙事務所を開設する」ということは、客観的な立候補表明になりますし、「政治団体届け」を出すということは政治活動をはじめるということなので、立候補予定者とみなされます。立候補予定者であるという情報はアッというまに、まちじゅうにひろがります。 支持者をひろげる方法はふたつあります。ひとつは、立候補の意思を持ちながら表明せず、市民運動などで支援者をふやすという方法、もうひとつは、はやめに「政治団体届け」を出して政治活動としてリーフレットなどを配布するという方法です。このどちらを選ぶかは選挙の重要な作戦となります。
 かなりはやい時期に立候補を決心している場合は、作戦として、市民運動の事務局として候補者の名前をさりげなくPRしながら、仲間たちと選挙の準備をする方法があります。公選法では「政治団体届け」を出すまでは、タダの市民とみなされますので、ニュースも自由に出せますし、活動の制約がないというメリットがあります。
 いっぽう選挙に関係した活動だとはやく市民に知らせたい場合や、選挙まであまり時間がないなら、「政治団体届け」を出して、イッキに立候補予定者として政治活動をもりあげるのがよいでしょう。 長距離走は持久力がいりますので、ラストスパートをかけるだけのペース配分が必要ですし、短距離走では瞬発力がいりますので、走りだすまでの準備運動が必要です。
 いずれにせよ、一日もはやく立候補を決心し、決心したら具体的に動き、運動をひろげましょう。

《法律条文》
・〔政治団体の届け出〕 政治資金規正法第6条
・〔この法律の目的〕公職選挙法第1条

※「政治団体届け」については、各都道府県の選挙管理委員会にお問い合わせください。
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『市民派議員になるための本』(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
5‐5 どんな選挙がしたいのか?

 議員に必要な資質は、選挙で有権者に約束したことを守るということです。
 選挙は、候補者と有権者との契約の場です。候補者は選挙で公約し、有権者はあな
たの政策やスタンスに投票することで4年間の先行投資をします。
 選挙のスタイルと議員としてのスタンスは地続きです。従来型の組織選挙や地域選
挙をして、当選したら市民派議員としてはたらくということはむつかしいでしょう。
なぜなら、従来型の選挙は、当選したら利益誘導するという約束をして議員になるか
らです。議員は支持者にコントロールされ、組織の意思にしばられます。
 その逆はときどきあります。いままで市民型選挙のノウハウで選挙をし、当選して
から政党にはいった人を何人も見てきました。当選するために市民型選挙を利用し、
政党に走るのは市民に対する背信行為です。候補者にうらぎられると、市民は政治そ
のものに対して不信感を持ちます。
 だから最低限、議員に必要な資質は、正直で誠実であることです。あなたはどんな
選挙がしたいのか、市民型選挙をしたいのか、具体的にイメージしてみてください。
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