国分寺市の回答&「杣山(そまやま)訴訟」最高裁判決

「上野千鶴子さん講師拒否事件」の続報です。

東京都の「人権意識を考える市民集会」実行委員会あてに、
国分寺市教育委員会から回答が届きましたので紹介します。
「人権意識を考える市民集会実行委員会」の公開質問状については、
以下の記事をご覧ください。
「上野千鶴子さん講師拒否事件」の続報/国分寺市の関連(2.16記事)


                       国教教生発第48号
                       平成18年3月2日

          東京都の人権意識を考える市民集会
                   実行委員会 殿
                       国分寺市教育委員会教育
                       生涯学習推進課長 熊谷 淳

              公開質問状について(回答)

 平成18年2月9日付,国教教庶収第532号文書,市長,教育長宛の公開質問状につい
て,下記の通り回答します。
                    記

1 要綱に沿って作成しました。

2 国分寺市教育委員会は,東京都教育委員会と実施計画書の内容について協議しま
したが,東京都教育委員会の意向からモデル事業の再委託を受けることは困難と判断
し,本事業を実施しないこととしました。

3 上記2で述べたとおり,実施計画書の内容についての協議であります。また,準
備会と協議が尽くせなかったことについては,遺憾に思います。

4 国分寺市教育委員会は,市民の知る権利,並びに人権を今後も尊重してまいりま
す。

詳細は「東京都に抗議する!」から


ところで、3月17日に、沖縄県金武町の
キャンプハンセン米軍基地の入会権(軍用地料)を
女性には認めないという女性差別の会則(慣習)をめぐって、
当事者女性26人が「憲法14条違反」として提訴していた、
注目の「杣山(そまやま)訴訟」の最高裁判決がでました。

わたしは一昨年、沖縄県女性センター「てぃるる」に招かれた時、
「人権を考えるウナイの会」の原告代表の仲間美智子さんにお会いして、
直接お話をきいたので、この訴訟には注目していました。

一審は「原告勝訴」、二審の福岡高裁は「逆転敗訴」でした。
最高裁で弁論が開かれると関係者から聞いていましたので、
なんらかの形で高裁判決が見直される、と思っていました。

最高裁判決は「原判決を一部破棄差し戻し、一部棄却」

一部審理差し戻し 金武区「杣山訴訟」(3.17琉球新報)

以下に「判決文」を紹介します。

判例 平成18年03月17日 第二小法廷判決 平成16年(受)第1968号 地位確認等請求事件
要旨:
 1 入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格要件を一家の代表者としての世帯主に限定する部分と民法90条
2 入会部落の慣習に基づく入会集団の会則のうち入会権者の資格を原則として男子孫に限定し同入会部落の部落民以外の男性と婚姻した女子孫は離婚して旧姓に復しない限り入
会権者の資格を認めないとする部分と民法90条

内容:  件名 地位確認等請求事件 (最高裁判所 平成16年(受)第1968号 平成18年03月17日 第二小法廷判決 一部破棄差戻し,一部棄却)
 原審 福岡高等裁判所那覇支部 (平成16年(ネ)第16号)

主    文
1 原判決のうち上告人X1及び同X2に関する部分を破棄し,同部分につき,本件を福岡高等裁判所に差し戻す。
2 その余の上告人らの上告を棄却する。
3 前項に関する上告費用は,前項記載の上告人らの負担とする。
         
理    由
 上告代理人宮國英男ほかの上告受理申立て理由第4の2及び同3について
 1 原審の確定した事実関係の概要等は,次のとおりである。
 (1) 沖縄県のA村(現在のA町及びB村)A部落(現在のA区)の住民らは,古来,「杣山」と呼称される林野(以下「本件入会地」という。)に入って薪を採取したり,材木を伐採するなどしていた。
 本件入会地は,明治32年公布の沖縄県土地整理法によりいったん官有地とされたが,明治39年,当時のA部落の住民(以下「A部落民」という。)らに対し,30年間の年賦償還で払い下げられた(以下,この払下げを「本件払下げ」という。)。本件払下げに係る代金は,A部落の村頭(区長)が,昭和8年まで正規のA部落民である各戸主から賦課徴収して支払った。その後,本件入会地の一部は昭和12年ころにA村の公有財産(昭和57年以降はA町の公有財産)に編入され,残りの土地は部落代表者の個人名で登記された(以下,本件入会地のうち公有財産とされた部分を「公有地部分」といい,部落代表者の個人名で登記された部分を「部落有地」という。)。
 (2) 入会集団であるA部落(以下,「A部落」とは入会集団としてのA部落をいい,「A部落民」とは入会集団としてのA部落の構成員をいう。)は,本件払下げ後,A部落の旧来の慣習及び規則に基づいて本件入会地の管理を行い,昭和12年ころ以降,公有地部分については,A村と締結した協定等に基づいて管理を行ってきた。
 そして,明治40年から昭和20年までの間にA部落の地区外から地区内に移住してきた者については,各戸につき木草賃として毎年50銭をA区事務所に納入することにより本件入会地の木草の採取が認められ,また,各戸につき20円を納付するなどすればA部落民の資格を取得することができた。
 (3) 昭和31年9月16日,本件入会地の入会権者から成る団体としてA共有権者会(昭和61年に名称をA入会権者会に変更)が設立され,以後,本件入会地のうち部落有地については,同団体の名で管理が行われてきた。また,公有地部分については,昭和57年7月12日,「旧慣によるA町公有財産の管理等に関する条例」(昭和57年A町条例第1号)の制定に対応してA部落民会(被上告人の前身。以下「A部落民会」という。)が設立され,同条例に規制される形で,A部落民会の名で管理が行われてきた。しかし,部落有地を管理するA入会権者会と公有地部分を管理するA部落民会とは実態が同一であったことから,平成12年5月19日,両会が合併して被上告人が設立された。
 (4) 本件入会地の入会権の得喪についてのA部落における慣習(以下「本件慣習」という。)は,次のようなものであり,被上告人は,本件慣習に従って入会権者とされる者を会員としている。なお,A共有権者会,A入会権者会及び被上告人の会則は,おおむね本件慣習に基づいて定められていたが,A部落民会の会則は,本件慣習とは異なり,会員資格を男子孫に限定していなかった。
 ア 本件払下げを受けた当時,A部落民として世帯を構成していた一家の代表者は,いずれも本件入会地につき入会権を有する。
 イ 明治40年から昭和20年3月までの間にA部落の地区外から地区内に移住してきた一家の代表者であって,一定の金員を納めるなどしてA部落民の資格を認められた者も,本件入会地につき入会権を有する。
 ウ 入会権者たる資格は,一家(1世帯)につき代表者1名のみに認められる。そして,一家の代表者として認められるためには,単に住民票に世帯主として記載されているだけでは足りず,現実にも独立した世帯を構えて生計を維持していることを要する。
 エ 入会権者の死亡や家督相続によって一家の代表者が交替した場合には,新たな代表者が後継者として入会権者の資格を承継する。入会権者の資格を承継する代表者は,原則として男子孫に限られるが,男子孫の後継者がいない場合や幼少の場合には,例外的に旧代表者の妻が資格を取得することもあり(ただし,幼少の男子孫が成長して入会権者の資格を取得すれば,妻は資格を失う。),また,旧代表者が死亡し男子孫がない場合には,女子孫が入会権者の資格を承継することも認められるが,入会権者として認められるのは当該女子孫1代限りである。
 オ 男子孫が分家し,A区内に独立の世帯を構えるに至った場合は,その世帯主からの届出により,入会権者の資格を取得する。独身の女子孫については,50歳を超えて独立した生計を営み,A区内に居住しているなど一定の要件を満たす場合に限り,特例として,1代限りで入会権者の資格を認められる。なお,A部落民以外の男性と婚姻した女子孫は,離婚して旧姓に復しない限り,配偶者が死亡するなどしてA区内で独立の世帯を構えるに至ったとしても,入会権者の資格を取得することはできない。
 (5) 被上告人と同様に杣山について入会権を有する他の入会団体の中には,近年会則を変更するなどして,世帯主である限り,男子孫と女子孫とで差異を設けない取扱いをするようになった団体もある。
 (6) 被上告人においては,本件慣習に基づいた会則(Y会則)を有しており,新たに入会する者については,届出又は申出に基づき役員会の議を経ることを要することとし,入会資格の審査が行われてきた。そして,入会の申請者には戸籍謄本,住民票等の提出を義務づけ,これに基づいて審査を行うが,単に書類上世帯主として記載されているだけでは足りず,現実にも独立して生計を営んでいることが必要とされるため,審査に当たっては必要に応じて生活実態の調査等も行われてきた。
 (7) 上告人ら(なお,上告人X3は,当審係属中の平成16年11月28日死亡し,その夫と子3名がその地位を承継した。以下においては,亡X3を含めて「上告人ら」ということがある。)は,いずれも,本件払下げ当時のA部落民であって本件入会地について入会権を有していた者の女子孫であり,遅くとも平成4年以降現在に至るまでA区内に住所を有し居住している。上告人X1及び同X2(以下「上告人X1ら」という。)は,いずれも,A部落民以外の男性と婚姻したが,その後夫が死亡したことにより,現在は戸籍筆頭者として記載され,世帯主として独立の生計を構えるに至っている。上告人X4らその余の上告人(以下「上告人X4ら」という。)は,いずれも,戸籍筆頭者ではない。
 (8) 本件入会地は,第2次世界大戦後,国が賃借した上でアメリカ合衆国の軍隊(以下「駐留軍」という。)の用に供するために使用され,その賃料は,被上告人により収受・管理され,その一部が入会権者である被上告人の構成員らに対し,補償金として分配されている。
 2 本件は,上告人らが,被上告人に対し,本件慣習(本件慣習に基づいて定められた被上告人の会則を含む。以下同じ。)のうち入会権者の資格を世帯主及び男子孫に限り,A部落民以外の男性と婚姻した女子孫は離婚して旧姓に復しない限り資格を認めないとする部分が公序良俗に反して無効であるなどと主張して,上告人ら(ただし,上告人亡X3関係を除く。)が被上告人の正会員であることの確認を求めるとともに,平成4年度から平成14年度までの補償金として各306万円の支払(ただし,上告人亡X3訴訟承継人X5については153万円の,同X6,同X7及び同X8については各51万円の,上告人X9については,平成13年度及び平成14年度の補償金として120万円の各支払)を求めるものである。
 3 原審は,前記事実関係の下で,次のとおり判断し,上告人らの請求をいずれも棄却した。
 (1) 被上告人は,本件入会地の入会権者らを構成員とする入会団体であるから,上告人らが被上告人の構成員の地位を有するというためには,上告人らが本件入会地の入会権を取得したことが認められる必要がある。そして,入会権については各地方の慣習に従うとされているから,上告人らが入会団体である被上告人の構成員の地位を有するというためには,上告人らが当該地方(A部落)の慣習,すなわち本件慣習に基づいて本件入会地の入会権者の資格を取得したことが認められなければならない。なお,本件入会地は,第2次世界大戦後は駐留軍の用に供するために使用されていて,現在は個々の入会権者が直接入会地に立ち入ってその産物を収得するといった形態での利用が行われているわけではないけれども,入会権に基づく入会地の利用形態には様々なものがあり,入会団体が第三者との間で入会地について賃貸借契約等を締結してその対価を徴収したとしても,その収入は入会権者の総有に帰属するのであって,入会権が消滅するわけでも,入会権の内容や入会団体としての性質が変容するものでもない。
 (2) 本件慣習のうち,本件入会地の入会権者の資格要件を一家の代表者としての世帯主に限定する部分(以下,この資格要件を「世帯主要件」という。)は,入会権の本質に合致するものであって,公序良俗に反して無効とはいえない。
 上告人X4らは,家の代表者としての世帯主であることの主張立証がなく,本件入会地の入会権を取得したものとはいえない。
 (3) 本件慣習のうち,入会権者の資格を原則として男子孫に限り,A部落民以外の男性と婚姻した女子孫は離婚して旧姓に復しない限り入会権者の資格を認めないとする部分(以下,この資格要件を「男子孫要件」という。)も,それなりの合理性があり,公序良俗に反して無効とはいえない。もっとも,男子孫と女子孫とで取扱いに差異を設ける必要性ないし合理性は特に見当たらないし,被上告人と同様に杣山について入会権を有する他の入会団体の中には,近年会則を変更するなどして,世帯主である限り,男子孫と女子孫とで差異を設けない取扱いをするようになった団体もあることが認められる。しかし,入会権は,過去の長年月にわたって形成された地方の慣習に根ざした権利であるから,そのような慣習がその内容を徐々に変化させつつもなお存続しているときは,これを最大限尊重すべきであって,その慣習に必要性ないし合理性が見当たらないということから直ちに公序良俗に反して無効ということはできない。そして,入会権が家の代表ないし世帯主としての部落民に帰属する権利であって,当該入会権者からその後継者に承継されてきたという歴史的沿革を有すること,歴史的社会的にみて,家の代表ないし跡取りと目されてきたのは多くの場合男子,特に長男であって,現代においても,長男が生存している場合に二男以下又は女子が後継者となったり,婚姻等により独立の世帯を構えた場合に女子が家の代表ないし世帯主となるのは比較的まれな事態であることは公知の事実といえること,被上告人以外の入会団体の中にも会員資格を原則として男子孫に限定する取扱いをしているところが少なからず存在することなどに照らせば,家の代表ないし世帯主として入会権者の資格要件を定めるに際し男子と女子とで同一の取扱いをすべきことが現代社会における公序を形成しているとまでは認められない。これに加え,男子と女子とで入会権者の資格が認められる要件に差異があることにより1世帯の内部において男子と女子の間で生じ得る不平等については,相続の際の遺産分割協議その他の場面で財産的調整を図ることも可能であることをも併せ考慮すれば,本件慣習のうち男子孫要件が公序良俗に違反するとまで認めることはできない。
 そうすると,上告人X1らは,A部落民以外の男性と婚姻した後に配偶者の死亡により世帯主として独立の生計を構えるに至ったものであるから,本件入会地の入会権を取得したとはいえない。
 4 しかしながら,原審の上記(1),(2)の判断は是認することができるが,(3)の判断は是認することができない。その理由は,次のとおりである。
 (1) 前記事実関係によれば,被上告人は,本件入会地の入会権者で組織され,本件入会地の管理・処分を行うこと等を目的とする入会団体(権利能力なき社団)であると認められる。また,本件入会地は,戦後,国が賃借した上で駐留軍の用に供するために使用されているが,その賃料は,入会団体である被上告人により管理されているというのであるから,本件入会地について,いまだ入会権が消滅したものともその性質を変容したものともいうことはできない。そうすると,上告人らは,被上告人の会員の地位を有するというためには,本件入会地について入会権者の地位を有すること,すなわち,本件慣習に基づいて本件入会地についての入会権者の地位を取得したことを主張立証しなければならないというべきである(最高裁昭和35年 (オ) 第1244号同37年11月2日第二小法廷判決・裁判集民事63号23頁参照)。
 そして,本件慣習によれば,上告人らが被上告人の会員の地位を取得したというためには,原則として,①上告人らが本件払下げ当時のA部落民又は明治40年から昭和20年までの間に一定の要件を満たしてA部落民と認められた者の男子孫であり,現在A区内に住所を有し居住していること,②上告人らがA区内に住所を有する一家の世帯主(代表者)であり,被上告人に対する届出等によってその役員会の議を経て入会したことという要件を満たす必要があるということになる。
 (2) ところで,入会権は,一般に,一定の地域の住民が一定の山林原野等において共同して雑草,まぐさ,薪炭用雑木等の採取をする慣習上の権利であり(民法263条,294条),この権利は,権利者である入会部落の構成員全員の総有に属し,個々の構成員は,共有におけるような持分権を有するものではなく(最高裁昭和34年 (オ) 第650号同41年11月25日第二小法廷判決・民集20巻9号1921頁,最高裁平成3年 (オ) 第1724号同6年5月31日第三小法廷判決・民集48巻4号1065頁参照),入会権そのものの管理処分については入会部落の一員として参与し得る資格を有するのみである(最高裁昭和51年 (オ) 第424号同57年7月1日第一小法廷判決・民集36巻6号891頁参照)。他方,入会権の内容である使用収益を行う権能は,入会部落内で定められた規律に従わなければならないという拘束を受けるものの,構成員各自が単独で行使することができる(前掲第一小法廷判決参照)。このような入会権の内容,性質等や,原審も説示するとおり,本件入会地の入会権が家の代表ないし世帯主としての部落民に帰属する権利として当該入会権者からその後継者に承継されてきたという歴史的沿革を有するものであることなどにかんがみると,各世帯の構成員の人数にかかわらず各世帯の代表者にのみ入会権者の地位を認めるという慣習は,入会団体の団体としての統制の維持という点からも,入会権行使における各世帯間の平等という点からも,不合理ということはできず,現在においても,本件慣習のうち,世帯主要件を公序良俗に反するものということはできない。
 しかしながら,本件慣習のうち,男子孫要件は,専ら女子であることのみを理由として女子を男子と差別したものというべきであり,遅くとも本件で補償金の請求がされている平成4年以降においては,性別のみによる不合理な差別として民法90条の規定により無効であると解するのが相当である。その理由は,次のとおりである。
 男子孫要件は,世帯主要件とは異なり,入会団体の団体としての統制の維持という点からも,入会権の行使における各世帯間の平等という点からも,何ら合理性を有しない。このことは,A部落民会の会則においては,会員資格は男子孫に限定されていなかったことや,被上告人と同様に杣山について入会権を有する他の入会団体では会員資格を男子孫に限定していないものもあることからも明らかである。被上告人においては,上記1(4)エ,オのとおり,女子の入会権者の資格について一定の配慮をしているが,これによって男子孫要件による女子孫に対する差別が合理性を有するものになったということはできない。そして,男女の本質的平等を定める日本国憲法の基本的理念に照らし,入会権を別異に取り扱うべき合理的理由を見いだすことはできないから,原審が上記3(3)において説示する本件入会地の入会権の歴史的沿革等の事情を考慮しても,男子孫要件による女子孫に対する差別を正当化することはできない。
 (3) 上告人X4らについては,前記のとおり世帯主要件は有効と解すべきであり,家の代表者としての世帯主であることの主張立証がないというのであるから,本件入会地の入会権者の資格を取得したものとは認められず,上告人X4らが被上告人の会員であることを否定した原判決は,正当として是認することができる。この点についての論旨は,採用することができない。
 他方,上告人X1らは,A部落民以外の男性と婚姻した後に配偶者の死亡により世帯主として独立の生計を構えるに至ったものであるというのであるから,現時点においては,世帯主要件を満たしていることが明らかである。もっとも,上告人X1らが,被上告人の会則に従った入会の手続を執ったことについては,その主張立証がないけれども,男子孫要件を有する本件慣習が存在し,被上告人がその有効性を主張している状況の下では,女子孫が入会の手続を執ってもそれが認められることは期待できないから,被上告人が,上告人X1らについて,入会の手続を執っていないことを理由にその会員の地位を否定することは信義則上許されないというべきである。したがって,男子孫要件を有効と解して上告人X1らが被上告人の会員であることを否定した原審の判断には,判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反がある。この点をいう論旨は,理由があり,原判決のうち上告人X1らに関する部分は破棄を免れない。そして,以上の見解の下に上告人X1らの請求の当否について更に審理を尽くさせるため,上記部分につき,本件を原審に差し戻すのが相当である。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。なお,裁判官滝井繁男,同古田佑紀の各補足意見がある。
・・・・・・・・・・・・(以下省略)・・・・・・・・・・・・・・・
 (裁判長裁判官 津野 修 裁判官 滝井繁男 裁判官 今井 功 裁判官 中川了滋 裁判官 古田佑紀)


 なお、判決文はブログの制限字数1万字をこえますので、
省略した二人の裁判官の「補足意見」については、
最近の主な最高裁判決(最高裁HP)をご覧ください。           
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