2007年 02月 07日 ( 1 )

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『市民派議員になるための本』(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
第6章 家族との関係

6‐1 夫をどう説得するか?/夫はどうかかわるか?

 ここでは候補者を、「結婚している女性」と考えてみました。未婚や男性の場合は障害にならないことが、既婚女性の場合は障害になることが多いからです。
 「夫婦関係は、100人いれば100通りあるので、正解はありません。」「あなたの家族のことは、あなたがいちばんよく知っているハズでしょう」というのが結論です。でもこれではミもフタもありませんから、解決方法をいっしょに考えてみましょう。
 99年4月の自治体選挙の直後、わたしは「女性を議会に!ネットワークあいち・ぎふ・みえ」の37人の市町議会議員候補者(うち男4人)に「候補者アンケート」を送り、32人から回答がありました。
 立候補する際の障害はありましたか?」の質問に対する回答は、「はい」が17人、「いいえ」が13人でした。「具体的になにが障害になりましたか?」と理由をたずねたところ、①「家族」9人、②「地域」9人、③「お金」3人、④「心身の状態」1人、⑤「その他」9人、でした。さらに「障害をどのようにクリアしましたか?」との質問には、夫に関しては、「なにがあっても立候補するんだと主張しつづけ、話しあいをかさねた」「家族には迷惑をかけないことを約束した」「議会の現状を考えると立候補せざるをえないと夫が納得した」「家族は運動の目標として乗りこえることを掲げた。夫の非協力はかえって仲間の参加がしやすくなった。これはおススメ」という回答がありました。
 夫が反対する理由はさまざまですが、おもなものは、①妻のほうが社会的地位が高くなることに難色を示す、②夫婦の力関係を誇示するために反対する、③立候補はよいが、家事が自分にふりかかってくるのを心配している、など。ようするに「男のコケンにかかわる」「妻としてのツトメをいままでどおり果たしてほしい」「自分に火の粉がふりかかってくるのは困る」、ということでしょう。反対する合理的な理由がないのも特徴です。
 夫を説得するときに共通するのは、①立候補を決心してから夫を説得する、②強い決意を示し説得をあきらめない、ということ。説得できなければ、今後の課題として見切り発車する人もいます。さすが市民派の候補者たちです。立候補を決心する前に相談するのは、夫と議論して負ける人は避けたほうがよいでしょう。
 夫に話す前にできることをいくつかあげてみましょう。
 ①長年くらしていれば夫の反応はあるていど予想できるハズだから、答えを予想して説得するための想定問答を立て、シミュレーションする、②反対されてからが説得と考え、反対の理由をたずね、ひとつずつ解決方法を示していく、③強い決意で話しあいに臨むこと、などです。強く反対されたときの最後の切り札は、④「離婚してでも出る」とタンカをきることをおススメします。これでほんとうに離婚になったら、問題はベツのところにあったのでしょう。
 夫の選挙へのかかわりかたについては、①あくまで仲間のひとりと割りきる。夫にも選挙は平場の関係であることを伝える。②かかわるもかかわらないも、夫の自己決定という関係をつくる、③夫婦関係を選挙に持ちこむと、仲間が動きにくい。④候補者に指示・命令する夫ならいないほうがよい。
 だれにとっても、すべてがはじめての経験です。でもいまのところ、立候補したから離婚したというケースは聞きません。当選したら、夫からバラの花束が届いたという人はあります。
 選挙はよくも悪くも、夫とのいままでの関係を決定的に変えます。
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