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『市民派議員になるための本』
(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)1‐2 「市民」とはだれか?

 あなたは、市民ですか? 住民ですか? どう呼ばれたいですか。
 「市民」というと、主体的な意思を持つ住民、という意味のように聞こえます。法律には、市民という言葉は出てきません。「住民自治」「住民監査請求」「住民及び滞在者」「住民の意義」すべて住民と書いてあります。
 「自治」が住民自治であることを考えれば、「市民」は「わたしのことは、わたしが決める」ひとびとのすべてをいうはずです。
 自治体の当事者はすべてのわたし。
 この本では「わたしのことは、わたしが決めたい」すべてのひとびとを、「市民」と呼ぶことにします。

《参考文献》
『超入門 地方自治制度はこうなっている』今井照著・学陽書房
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今日からいよいよ本文です。
まずは、第一部の「自治」編です。

1節ずつの文章は短いのですが、基本のき、いわゆる「理論」編にあたる部分です。
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『市民派議員になるための本・・・・立候補から再選まで・・・』
(寺町みどり著/プロデュース・上野千鶴子/ 発行 学陽書房)
第一部 自治
第1章 自治とは・・・

1-1 自治とはなにか?

 まずはじめに、基本のキからおさえておきましょう。でないとなんのために「政治」にかかわるのか、とりちがえることになりかねません。
 自治ってなに? 自治体ってなに? 政治ってなに? 意外とみなさん知らないものです。あなたもきっと、ヘェーって思うことでしょう。
 「自治」とは、「みずからの自由意志に基づき、自由に行為を行うこと」です。
 「自治体」とは、ものごとを決めるシステムのある地域社会のこと、そこで日々くらすひとびとの集団です。「役所は自治体の事務所」と法律に書いてあります。「みずから」とは、あなたのことであり、わたしのことです。
 当事者はわたし。
 「わたしのまちのことは、わたしが決める」。目からウロコ、でした。

《法条文》
・憲法第92条「地方公共団体の組織および運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、これを定める。」
・〔この法律の目的〕 地方自治法第1条
・〔地方公共団体の事務所の設置又は変更〕 地方自治法第4条
《参考》
「地方自治の本旨」とは→地方自治の本旨とはなにか明文された規定はないが、「国から独立した地方公共団体がその判断と責任で行う団体自治と、その事務の処理や事業の実施を住民の意思に基づいて行う住民自治の二つの要素がともに満たされることが必要である。団体自治は地方分権の原理を示し、住民自治は民主主義の精神をあらわすものと考えられるが、一般的には住民自治が地方自治の本質的要素であり、団体自治はその法制的要素である。(『議員必携』より)」といわれている。
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『市民派議員になるための本』は、2001年12月に、たった25日で書き下ろした本です。この本のプロデューサーは上野千鶴子さんです。
ど素人のわたしは、本を書くイロハを上野さんから学びました。
この本は、今読み返してもとてもよい本だと思うのですが、わたしが本を書けたのは、師匠がよかったからだと今でも思っています。
この本を書いた理由はふたつあります。
ひとつは、上野さんのため、もう一つは、まだ見ぬ読者のためです。
いま、この本の内容を連載するのは、ひとりで多くの人に立候補を決意してほしいから。
立候補がなければ、当選もありません。
選挙や政治がどういうものか分かれば、「私も議員になってみよう」という人が増えます。
本のメッセージは、「おわりに」こんな言葉で結んであります。

 わたしには、あなたに切実に伝えたいメッセージがあります。
 あなたが、本を読みながらこのわたしの経験を共有し、わたしからのメッセージを受けとり、読みおわって「わたしも市民派議員になりたい」と思っていらっしゃるなら、とてもうれしい。
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『市民派議員になるための本・・・・立候補から再選まで・・・』(寺町みどり著/プロデュース・上野千鶴子/ 発行 学陽書房)
 おわりに -

 『市民派議員になるための本』はラディカルな実用書です。
 わたしはこの本を、「読むだけの本」ではなく、現場で「使いたおしてもらうための本」として書きました。
 わたしが議員のとき、現場でつかえる本はほとんどありませんでした。議会はオドロキの連続で、わたしはなにかにつまづくたびに、『議員必携』や『自治六法』(ぎょうせい)をたよりに、行政実例や判例を調べ、法の解釈や運用を自治省(現総務省)や県地方課(現市町村課)に聞き、議会の内外で議論しました。
 まわりを見まわしても、この分野でさきを歩く人はいなくて、わたしは議会で多数派を相手に孤独なたたかいを強いられました。そんなわたしを支えてくれたのは、仲間やまちの女たちでした。
 この市民派議員をとりまく状況は、現在でも変わっていません。むしろここ数年、逆風は強くなり、わたしのまわりでも市民派議員へのイヤガラセや理不尽な懲罰事件がふえています。かくじつにチカラをつけ議会のなかでたかう市民派議員の存在が、多数派議員の足元の既得権をおびやかしているからです。
 ’99統一自治体選挙で、女性議員の数はたしかにふえましたが、議会で市民派議員としてはたらくのはカンタンなことではありません。多数派議員からの圧力やセクハラにあい、たたかうことをあきらめる市民派女性議員もすくなくないのです。
 だから、議会でなにが起きるかを知り、数の力に対抗するノウハウとスキルを身につけることは、市民派議員になるために必要なことです。わたしは、自分の経験とノウハウをあとにつづく女たちに伝えたいと思い、カオの見える関係のなかで、勉強会を続けてきました。

 昨年の夏、ひょんなことからわが家にあらわれて、「本を世に出しましょう」と言い出したのは、上野千鶴子さん。「書けません」と抵抗するわたしを、なだめたりスカシたり、とうとう自発的に本を書かせてしまったスゴ腕のプロデューサーです。
 11月、上野さんと7時間半かけて、自宅で5部構成約170項目の構成案をつくりました。わたしの書きたいことと上野さんのリクエストがかさなり、できあがった本の全体像を見て、よい本になると直観しました。
 「この手の本はテマがかかる」「発刊まで一年」と編集者の星野さんにお聞きし、マサカと思っていましたが、12月にわたしが初稿を書き下ろし、以来なんども3人のあいだを原稿が行き来しました。上野さんがこの本にかけた時間はボーダイなものでした。
 5月、確定原稿の打ちあわせのあと、地下鉄のなかで、上野さんに聞きました。
 「わたしの本のお仕事はアンペイドワーク(不払い労働)ですね?」
 上野さんは答えました。「いいえ。道楽です。」

 理論が経験を説明するものなら、理論を現場で具現化し実証することもできるハズです。この本は上野さんの著書から学んだ理論を現場でカタチにしたものだ、とわたしは思っています。制度のなかにはいって現場でたたかうには、その制度としくみを知ることが不可欠です。そのためには理論と言葉が必要です。
 現場と理論が乖離(かいり)しているとわたしは思いません。

 一年前、上野さんに「無党派・市民派とはなにか、わたしにわかるように伝えてください」と問われましたが、コトバにできませんでした。その答をわたしはこの本で書きました。
 わたしは本を書きながら、ドンドン景色が変わるという経験をしました。全体が見わたせるようになると、欠けているピースを自分でつくって入れました。できあがった絵は、わたしにとって思いがけないものでした。わたしはいま、あらたな地平に立っています。 
 わたしには、あなたに切実に伝えたいメッセージがあります。
 あなたが、本を読みながらこのわたしの経験を共有し、わたしからのメッセージを受けとり、読みおわって「わたしも市民派議員になりたい」と思っていらっしゃるなら、とてもうれしい。
 
 わたしが原稿を書くことに集中できる環境をさりげなくつくり、はんざつな資料の作成を手伝ってくれたパートナーのともちゃん、ほんとうにありがとう。
 学陽書房の名編集者、星野智恵子さんは、初心者のわたしの仕事を支えはげましてくださいました。交わしたメールはマクラになるほど。いまではわたしの大切なおともだちです。こころから感謝しています。
 そして、わたしを見つけ、わたしと組んで本をつくろうと言ってくださった上野さん。プロデューサー兼編集者として、はじめからおわりまで、わたしをあたたかく見まもり、原稿を読んで的確なコメントを出し、ていねいなコミュニケーションをしてくださいました。
 「同行二人」、わたしはあなたの存在にはげまされて本を書くことができました。
 この本のさいしょの一冊を、上野千鶴子さんに贈ります。

 --わたしが出会い別れたすべての人に、そしてこれから出会うあなたに、ありがとう。
                2002年 1年後の夏の日に 
                                          みどり
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『市民派議員になるための本・・・・立候補から再選まで・・・』
(寺町みどり著/プロデュース・上野千鶴子/学陽書房)

この本を書いてから、5年経ちます。

その間に、市町村合併がすすみ、国は小泉政権から安倍政権へといっそう右傾化しています。
「国」を重視し基本とする政策は、当然に地域社会の一人ひとりの「ひと」を見捨てることになり、弱者切捨ての政治手法は、子どもやお年より、しょうがいしゃ者など、いちばん弱い市民を直撃しています。
合併したらバラ色のはずだったのに、国からの合併特例債は数年で打ち切られ、甘いことばはウソだったと気づいたころには、どの自治体も厳しい財政状況に追い込まれていきます。
そんな流動的な政治状況は、市民派候補者にとって、不利なことばかりではありません。
既得権を持つ議員たちも、いままでのように地域密着の利益誘導型の選挙ができにくくなりました。
「ピンチはチャンス」。
今の政治状況に不安を感じている市民はたくさんいますし、このままでよいと思っている人ばかりではありません。
「政治を変えたい」市民にダイレクトに実現したい政策やメッセージを届ける市民型選挙は、手法さえ身につければ、だれにでもできます。
これから毎日、ひとつずつ、わたしからあなたへメッセージを届けます。
                                         みどり
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はじめに

 -わたしの趣味は、「政治」です。-
 エッとおどろくあなたは、「政治」のオモシロサを、きっとまだ知らないのでしょう。 わたしも以前は、政治も選挙も大キライでした。だから政治ギライの人の気持ちがわかります。コリ性だけどあきっぽいわたしが、「政治」の市民運動に10年もかかわって、生まれてはじめて本まで書いているのですから、“好きこそものの上手なれ”です。 政治の現場でつぎつぎにぶつかる問いに、さまざまな出会いのなかで、感じ、かんがえ、わたしなりの答えを見つけながら手さぐりで今日まで歩いてきました。そのみちすじをあなたと共にたどりたいと思います。
 わたしは1991年9月、岐阜市の北隣の人口19000人の小さなまち、高富町の議会議員に当選しました。立候補すると決心し、わたしのやりたい市民型選挙に取りくみ、当選してからは、初議会、議会での質疑・討論・採決、一般質問と、未知の経験ばかりで、セクハラにも遭遇しました。
 この本には、はじめて議員になる人が、じっさいに選挙や議会でつぎつぎに出会う経験を、立候補から再選まで時系列にそって、できるだけわかりやすく書きました。
 この本を読んで、「わたしもやってみよう」とあなたに思ってもらいたい-それがわたしの願いです。
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2003年の統一自治体選挙の半年前に発行した
『市民派議員になるための本・・・・立候補から再選まで・・・』(寺町みどり著/プロデュース・上野千鶴子/ 発行 学陽書房)をこれから一節ずつアップします。
「第1部 市民と自治」と「第2部 勝てる選挙』までで69節ありますので、約2ヶ月の予定です。
4年前はブログがなかったのですが、この本を読んで立候補し当選した人たちから、FAXやメールでたくさんの反響がありました。
2007年4月、この本を読んで、立候補を決意してくださる人がふえれば、うれしいです。

なお、1月20日と2月24日には「ウィルあいち(名古屋市)」で、遅れてきた人のために、本をテキストにノウハウとスキルを伝える、勝てる選挙「市民型選挙」の直前講座も予定しています。

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『市民派議員になるための本・・・・立候補から再選まで・・・』

はじめに

第1部 市民と自治

第1章 自治とは・・・
 1‐1 自治とはなにか?
 1‐2 「市民」とはだれか?
 1‐3 住民自治とはなにか?
 1‐4 「市民の政治」とはなにか?
 1‐5 「市民参加」とは言うけれど
     (コラム)市民参加

第2章 無党派・市民派とは・・・
 2‐1 無党派・市民派議員とはだれか?
 2-2 無党派・市民派議員とはなにか?
 2-3 女ならだれでもいいのか?
 2-4 無党派・市民派議員になにができるか? 


第2部 勝てる選挙

第3章 市民型選挙とは・・・
 3‐1 市民型選挙とはなにか?
 3‐2 従来型選挙とどうちがうか?
 3-3 だれもできる市民型選挙
 3‐4 市民型選挙のおちいりやすいワナ
 3-5 市民型選挙の注意事項

第4章 市民型選挙をたのしもう
 4‐1 市民型選挙はお祭りだ!
 4‐2 市民型選挙の行動3原則
 4‐3 市民型選挙は、人を変えまちを変える

第5章 立候補をどう決めるか?
 5‐1 出したい人より出たい人を
 5‐2 「決心するのはあなた」
 5‐3 あなたはなにがしたいのか?
 5‐4 どんな議員になりたいのか?
 5‐5 どんな選挙がしたいのか?
 5‐6 いつ立候補を表明するか?
 5-7 同じまちに複数の候補者がいる場合、どうするか?
 5‐8 選挙は当選をめざす!

 第6章 家族との関係
 6‐1 夫をどう説得するか?/夫はどうかかわるか?
 6‐2 子どもをどう説得するか?/子どもはどうかかわるか?
 6‐3 親(自分の親/夫の親)との関係をどうするか?
 6‐4 親族との関係をどうするか?
 6‐5 選挙でくらしはどう変わるか?

第7章 これまでの仲間や地域とどうかかわるか?
 7‐1 候補者になったら周囲はどう変わるか?
7‐2 仲間はどう反応するか?
 7‐3 仲間とどうつきあうか?
 7‐4 地域とはキョリをおく
 
第8章 公選法をどう使いたおすか?
 8‐1 公職選挙法とはなにか?
 8‐2 政治活動とはなにか?
 8‐3 どこまで許されるか?
 8‐4 選挙違反はしない

第9章 仲間をどうつくるか?
 9‐1 信頼できる核はあるか?
 9‐2 ヒトからヒトへどうひろげるか?
 9‐3 集会で仲間をふやそう
 9‐4 事務局体制をどうつくるか?

第10章 カネがなくても選挙はできるか?
 10‐1 選挙費用はだれが出すのか?
 10‐2 公費負担はあるか?    
 10‐3 カンパをどうあつめるか?
 10‐4 費用負担と権利・義務関係
 10‐5 ムダなカネはかけない
10-6 残った借金はどうするの?

第11章 政策・公約をどうつくるか?
 11‐1 どんな政策にしたいのか?    
 11‐2 政策づくりは仲間とチエを出しあって
 11-3 市民との関係のルールづくり
 11‐4 経験者に学ぶ

第12章 メッセージをどう届けるか?
 12-1 政治活動をすすめるにあたって 
 12‐2 文書でメッセージを送るには   
 12‐3 読みやすいリーフレットをどうつくるの?
 12‐4 メッセージをどう届けるか?
 12-5 はなしことばでメッセージを伝える
 12-6 どんなパフォーマンスをするか?
 12-7 メディアをどう活用するか?
 12-8 ネガティブ・キャンペーンが起こったら?

第13章 告示日までになにを準備するか?
 13‐1 選挙事務所をどうするか?
 13-2 選挙カーの準備をどうするか?
 13‐3 ポスターの準備をどうするか?
 13‐4 公選はがきのあて名書きをひろげよう
 13‐5 人手の手配はどうするか?

第14章 いよいよ選挙
 14‐1 告示日をどうむかえるか?
 14‐2 選挙事務所の運営をどうするか?
 14‐3 選挙カーの運行のノウハウ
 14‐4 選挙カーからの連呼のノウハウ
 14‐5 候補者の演説のコツ
 14‐6 公選はがきをどう使うか?
 14‐7 支援者とどうつきあうか?
 14‐8 でんわ一本、支持のもと
 14‐9 投票日はどうすごすか?
 14‐10 「当選はスタート」です

第15章 もしも落選したら・・・
 15‐1 選挙の結果は厳粛に受けとめる
 15‐2 タダの市民にはもどれない
 15‐3 「やってよかった」市民型選挙


第3部 議会ではたらく

第16章 議員
 16‐1 「当選してからが本番」です~一夜あけたら
 16‐2 議員はまちの権力者
 16‐3 議員の権力を有効利用しよう

第17章 議会(基礎自治体)
 17‐1 地方自治法を使いたおそう
 17‐2 議会は条例と予算を決める
 17‐3 議会には定例会と臨時議会がある
 17‐4 議会を維持するのにどのくらい税金が使われるか?
      (コラム)高富町の議会費の例
 17‐5 議員の身分と報酬は?

第18章 議会運営
 18‐1 初議会にどうのぞむか?
 18‐2 なにを着ていくの?
 18‐3 議会の慣例にはしたがわない
 18‐4 政党と会派の関係は?
 18‐5 議会運営委員会と会派代表者会議のちがいは?
 18-6 議会のウラオモテ-多数派と交渉するコツ

第19章 議案審議
 19‐1 議案審議の流れを知ろう
 19-2 「議員平等の原則」は、無党派・市民派議員の味方
 19‐3 本会議と委員会はどうちがうの?
      (コラム)議会公開の原則
 19-4 予算審議は政策の事前評価
 19‐5 予算(補正予算)審議のなにが問題か?
 19‐6 決算審査は政策の事後評価
 19‐7 条例案審議のなにが問題か?
 19-8 表決のとき-決断するのはあなた
      (コラム)初議会のハプニング

第20章 発言
 20‐1 議会では言論が武器
 20‐2 発言はなかったことにできない
 20‐3 一般質問と質疑はどうちがうの?
 20-4 質疑・質問にどんなルールがあるのか?
 20‐5 基本は知らないことを聞かない
 20‐6 一般質問をどうつくるか?
20-7 討論とはなにか?
      (コラム)エッ、討論がない?!
 20‐8 論理的説得力を身につけよう
 20‐9 ヤジや侮辱にどう対応するか?

第21章 議場の外でなにが起こるか?
 21‐1 出あいがしらのジャブ
 21‐2 市民派に対するイヤガラセにどう対処するか?
 21‐3 セクハラにどう対処するか?
 21‐4 他党派女性議員とどうつきあうか?
 21‐5 懇親会に出るか出ないか?

第22章 議会改革
 22‐1 慣例と前例を変えよう
 22-2 議員の通信簿をつけよう~市民の傍聴を活用しよう
 22‐3 議会事務局をどう変えるか?
 22-4 法律どおりの議会の実現を~自治法、会議規則、委員会条例の遵守
 22-4 議会をほんものの「言論の府」に!
 22-5 議会制度の根本的改革を


第4部 政策実現への道

第23章 政策
 23‐1 政策とはなにか?政策不在の自治体行政
 23‐2 政策と予算執行との関係は?
 23‐3 条例と政策との関係~上位法との関係は?
 
第24章 政策をつくる
 24‐1 問いを立てる
 24‐2 ニーズを探る/情報収集をする
 24‐3 先進事例に学ぶ
 24‐4 利用可能な社会資源を見つける
 24‐5 政策を設計する
 24‐6 事前評価する(効果と限界を測定する)
 24‐7 根拠と説得力のある議論を組み立てる

第25章 市民派議員と政策
 25‐1 政策ビジョンと得意分野をつくる
 25‐2 政策を実現するアノ手,コノ手
 25‐3 政策を審議する~議会で取りあげる
 25‐4 議員立法、市民立法を活用しよう

第26章 政策評価
 26‐1 政策評価はなぜ必要なの?
 26-2 事前評価ってなに?
 26‐3 事後評価ってなに?
 26‐4 評価手法と評価基準
 26‐5 市民監視員(オンブズパーソン)はどうして必要なの?
 26‐6 住民監査請求と住民訴訟をどう使うか?
 26‐7 だれが責任をとるのか?

第27章 のぞまない政策に介入する
 27‐1 政策を変える
 27‐2 政策に待ったをかける
      (コラム)自動車専用道路計画のルートを凍結させた!
 27‐3 政策を廃止する
      (コラム)農薬空中散布をやめさせた!
 27‐4 違法状態の改善

第28章 情報公開
 28‐1 すべての情報は市民のもの
 28‐2 情報公開制度を使いたおす
      (コラム)県議会懇親会費の情報非公開取消訴訟で勝訴した
 28‐3 職員の意識を変えよう
 28-4 公文書は語る
      (コラム)公文書を再分析する

第29章 財政に強くなろう
 29‐1 一般会計と普通会計どうちがうの?
 29-2 委託料と補助金どうちがうの?
 29-3 予算書/決算書の読みかた

第30章 行政とどうつきあうか?
 30‐1 首長とどうつきあうか?
 30‐2 管理職とどうつきあうか?
 30‐3 一般職員とどうつきあうか?
 30‐4 よい政策は実現する


第5部 市民と議員

第31章 市民派議員とどうつきあうか?
 31‐1 たかが議員、されど議員
 31‐2 市民派議員も市民のひとり
 31-3 市民派議員は、それでも権力者
 31‐4 儀礼・行事にどうつきあうか?
 31‐5 仲間とどうつきあうか?~代表・代弁はしない
 31‐6 市民とどうつきあうか?~利益誘導はしない
 
第32章 カネ
 32‐1 議員はおいしい仕事
 32‐2 議員報酬はどうつかうか?
 32‐3 調査費をどうつかうか?
 32‐4 冠婚葬祭にはカネを出すか?
 32‐5 市民にどう還元するか?

第33章 情報発信・情報収集
 33‐1 市民になにを伝えるか?
 33‐2 市民にどう伝えるか?
 33‐3 情報収集にメディアをどう使いこなすか?-マスコミからミニコミまで

 33‐4 自己研修~どこでなにを学ぶか?

第34章 市民派議員は、だれと、どう手をつなぐか?
 34‐1 市民派議員のネットワークはどうして必要なの?
 34‐2 む・しネットの役割は・・・
 34‐3 全国ネットワークはどうして必要なの?
           
第35章 つぎの選挙にどうつなぐか?
 35‐1 継投するか、しないか?
 35‐2 バトンタッチするランナーを育てる
 35‐3 任期4年の自己評価をする
 35‐4 選挙は進化する

おわりに

「産婆役」役の立場から 上野千鶴子
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上野千鶴子さん発「闘って得たものは闘って守り抜く」に続いて、『インパクション』154号の特集《反撃するフェミニズム》にから転載したわたしの記事です。
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公的な手続きと手法を駆使して
       「福井発・焚書坑儒事件」でたたかう
                       寺町みどり

 5月1日「ジェンダー関連の図書約150冊が『福井県生活学習館』の書架から排除された」という情報が飛びこんできた。「ひとごとではない」と強いいきどおりを感じた。
 著書10数冊が排除本に入っているとされた上野千鶴子さんからもメールが届き、福井県敦賀市議の今大地はるみさんと、行政手続きに詳しいつれあいの知正さんと対応を相談した。療養中の今大地さんは「問題をみすごすことはできない」と抗議行動を起こす決意をしていた。わたしは、彼女と行動をともにすると心に決めた。
 5月2日、まずは事実関係をおさえようと、「図書排除に関連するすべての文書」を情報公開請求した。同時に、当面の目標を「図書を書架に戻させる」と定めた。そうとなれば話しは早い。「住民監査請求と抗議文」提出のダブルアクションを起こすため賛同者を呼びかけた。
 5月11日、今大地さんが福井県に対して「住民監査請求」と「抗議文」(2団体44名)を提出した。「図書代金の全額返還もしくは書架への復帰」を求めた監査請求は職員にはかなりのショックのはず。これで図書は戻るだろうと思っていたら「本は元に戻す方針」と翌日の新聞に載った。わたしたちが行動を起こさなければ、図書はひそかに処分されていただろう。5月16日、図書はぶじ書架に戻った。
 5月18日、わたしたちの抗議文に対し、福井県知事から「個人に対する誹謗中傷や他人の人権の侵害等公益を著しく阻害するような内容がないかなど再確認を行いましたが、著者の思想的、宗教的、政治的活動について確認したわけではありません。・・・現在は、当該図書の確認作業を終了し、全ての書籍を元の書架に戻しております。・・・」と図書の排除を正当化する回答が文書で届いた。一連の「公権力の検査=本の内容を確認する行為」自体が、憲法で禁止されている「検閲」にあたる。図書の排除は、思想・表現の自由の侵害である。
 公文書の公開決定は1カ月延期され、6月16日、404枚の公文書が届いた。内訳は「書籍リスト」は「非公開」。意思決定文書や検討文書などはすべて「不存在」。「不存在は納得できない」と抗議すると、「文書はある」という。書籍リストの「非公開」も取り消され、「一部公開決定通知書」と経過が分かる公文書10枚、「黒塗りリスト」5枚が届いた。当事者の上野さんにも150冊の図書リストの非公開を伝え、訴訟を前提に4人の連名で呼びかけて、6月26日、著者や編集者、議員など21人で「約150冊の書籍リスト」を情報公開請求した。
 7月7日、「書籍リスト」は「黒塗り」で公開された。(公開しない理由)は、「公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるため」「公にすることにより、事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため」。非公開は著者の権利を侵害する。決定を不服とするわたしたちは訴訟の準備をはじめた。
 7月27日、図書リストの公開を求めて「情報非公開処分取消訴訟」を、1カ月後の8月26日に提起することを公表した。原告は上野千鶴子さんを代表とする20人。
 8月11日、福井県からとつぜん電話があり「153冊の図書リストを公開する」という。リストは、当事者の請求人に公開する前に公表する予定というので強く抗議。福井県の唐突でイレギュラーな処分変更に対し、即日「抗議文」と「公開質問状」を送付した。「153冊の図書リスト」が公開された時点で、勝てると確信していた提訴は「まぼろしの訴訟」となった。処分の違法性を、司法の場で争えなかったのは残念だが「所期の目的は達成できた」。変更理由は、本来なら「県の条例解釈に間違いがあったから非公開処分を取り消す」となるはずだが、理由はうやむや。訴訟を回避したいというのが本音だったのだろう。
 集会前日の8月25日午後、福井県から、公開質問状の回答と、37冊のあらたな排除リストと「図書選定基準」がFAXで届いた。リストは4月に推進員が排除せよと持ち込んだもので、要求したら任意提供された。このリストが任意公開できるなら、そもそも153冊の「非公開」もなかったはずだ。
 8月26日、「提訴集会」を変更して、福井市内で「ジェンダー図書排除問題を問う」と題して抗議集会を開催した。今大地はるみさん、知正さん、わたしの3人が事件の経過と問題点を報告し、原告団代表の上野千鶴子さんが「わたしたちの勝利」と宣言。福井県内外から参加した180人のあつい思いが結集した3時間。ほんとうにやってよかった。
 8月29日、福井県知事に対し、集会で提案した「福井県男女共同推進条例」20条2項に基づく「苦情申出書」を「『ジェンダー図書排除』究明原告団および有志」80名(42人は福井県民)で提出した。
 公開された公文書を精査すると、以下の事実が浮かぶ。
 「昨年11月1日、男女共同参画推進員からの『生活学習館のすべての図書について内容を確認し、不適切なものは排除するように』との苦情申出に、県は28日『情報の提供は学習する上で必要である』と文書回答し、申出を却下。その後、推進員は190冊の書籍リストを作成。今年1月に153冊分のリストを持参し、その後何度も排除の申し入れをくり返した。県は3月下旬になって、153冊の図書を書架から撤去した。4月にはさらに37冊の排除も求められたが拒否。5月に図書排除への抗議を受けると、153冊の内容を『個人への誹謗や中傷や人権侵害、暴力的表現などの公益を著しく阻害するものがないか』検閲し、5月15日、問題がないとしてすべての本を書架に戻した」。
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 法律は、どのような理由であれ、蔵書を公的施設から撤去することを認めていない。この事件が起きて以来、わたしは情報公開請求の当事者として、県職員と話し合いを続けてきたが、場あたり的な対応と無責任さにあきれている。図書排除は、一推進員の圧力に屈したというよりは、むしろその場のがれの行政の事なかれ主義と隠蔽体質が引き起こしたというべきだろう。国と自治体は、法的には対等な関係で、福井県の政策は「条例」が根拠であり、図書の選定に国の権限は及ばない。「国の方針変更に従った」というのは、福井県の失態である。そもそも、現場の職員が、法令を遵守して、勇気を持って毅然とした対応をしていれば事件は起きなかった。
 わたしたちは今回の事件に「福井発・焚書坑儒事件」となづけ、迷走する福井県に対して、有効な手法を選択しながらたたかってきた。勝因は、メンバーの役割分担とチームワークのよさ、合意形成がはやかったこと、制度を熟知してタイムリーに動けたことだと思う。MLやブロクを駆使しての情報発信も役だった。現行制度は、表現の自由や基本的人権を守り、「男女共同参画」政策を推進するものだ。数はあるに越したことはないけど、バックラッシュ派のやり口は法に抵触している場合が多いので、制度を味方につければ、少数の市民でもできることは多い。
 国や地方の権力に抵抗するには、まず「わたしがノーということ」。情報公開制度を使って、なにが起きたか事実関係を精査し、問題を特定することによって、有効な解決方法を選択することが可能になる。
 図書排除事件は福井県だけの問題ではない。図書や講師の選定に対する圧力は、全国どこでも起こりうることだ。事件はいつも、わたしたちの足元で起きる。バックラッシュに対抗するには、わたしたち市民が「行政監視の手法」を身につけて、公的な手続きを駆使して、自治体(行政や議会)にはたらきかけることが不可欠だと思う。
 わたしは行政のカベにぶつかり続け、いま「政治を変える」運動にかかわっている。市民運動は、あらゆる政策において、権力に対峙し「バックラッシュ」や声高に叫ぶものに対し、着実に「正攻法」の異議申し立ての運動と経験を積み重ねてきた。現行の法や制度には限界もある。けれど、力を持たない市民として、制度を熟知し有効な手法を選択しながら一つひとつの出来事にていねいに対応していきたいと思っている。 
 「わたしの(まちの)ことはわたしが決める」。直接民主主義の法や制度をつかった個人のネットワークが、上意下達の中央集権的な動きに対抗できることを女たちに伝えたい。
 わたしは未来に対して楽観も悲観もしていない。仲間とともに「いまここで」わたしにできることを実践していくだけだ。いままでも、そして、これからも。
 (『インパクション』154号・特集《反撃するフェミニズム》より転載)
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by midori-net | 2007-01-03 10:40 | 活動
『福井『ジェンダー図書排除」究明原告団および有志」の代表・上野千鶴子さんの「連載 女たちの未来 明日へのメッセージ 闘って得たものは闘って守り抜く」を紹介します。

とっても元気の出るメッセージです。
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  女たちの未来  
明日へのメッセージ         上野千鶴子さん発
       闘って得たものは闘って守り抜く
                
 日本のフェミニズムは行政主導型フェミニズムだ、という人がいる。とんでもない。歴史を歪曲してはならない。
 1985年に国連女性差別撤廃条約の批准を前に、滑り込みで成立した男女雇用機会均等法は、関係者にとっては少しも新しくなかった。結婚退職の禁止も、若年定年制の廃止も、それ以前に女性労働者が法廷で闘って勝ち取っていた。大卒女性の採用はそれ以前から始まっていたし、総合職扱いの女性幹部要員も一部の企業ではすでに生まれていた。職場の状況が変わったとしたら、それは法律のせいではない。それ以前に女性が変化していたからだ。法律の内容の多くは、すでに起きた変化を追認するものだった。均等法はそれに、女性がのぞまなかったものを付け加えた。保護の撤廃だ。保護抜き平等で、働けるだけ働いてもらう・・・ネオリベと男女共同参画フェミニズムの結託は、この頃からすでに始まっていたが、これでは少子化が進むのも無理はない。
 80年代には女性センター建設ラッシュと啓発事業ブームが起きたが、それだってすでに民間が先行していた動きに追随したものにほかならない。ハコモノ行政に利用したのは、首長たち。女性は大理石のバブリーな建物をのぞんだわけではなかった。草の根の女性団体が集会場所をつくりたいと、1円募金で建てた大阪市の婦人会館のように、もとはといえばローカルなニーズから始まったものだ。ようやく財団ができ、プロパーの職員が誕生し、女性運動の担い手の中から相談事業の相談員や専門的な職員が次々に生まれていったが、それというのも行政の側にノウハウも情報もなく、民間の力を借りなければならなかったからだ。社会教育事業ももとはといえば、手弁当で集まった民間のサークルから始まった。そしてそのなかから、自分の生活実感を理論化しようと女性学の担い手たちが育っていった。こういう水面下の動きが目に入らない人々は、法と行政の動きだけを見て、日本のフェミニズムを「行政主導型」と呼ぶ。
 今どきの若い女たちは、あたりまえのように大学へ進学し、卒業すれば企業に就職することを選択肢のひとつに入れ、セクハラに遭えば怒る。彼女たちがあたりまえだと思っている権利は、ほんの4半世紀前にはあたりまえではなかった。どれもこれも、年長の女たちが闘って獲得してきたものだ。恩に着せようというわけではない。
 闘って獲得したものでなく、与えられた権利はたやすく奪われる。闘って獲得した権利ですら、闘って守りつづけなければ、足元を掘り崩される。女の元気を喜ぶ人たちばかりではない。「女は黙っていろ」、「おとなしく台所にひっこんでいろ」、「生意気だ、でしゃばるな」という声は、潜在的にはいたるところにある。グローバリゼーションとネオリベのもたらした危機のもとで、保守派はすでに余裕を失っている。そして規格にはずれた女をターゲットにする反動の戦略は、昔も今もホモソーシャルな「男同士の連帯」をつくりだすには、いちばん安直だが有効な手段だ。バージニア・ウルフはナショナリズムを「強制された同胞愛」と呼んだ。「女ではない」ことだけを男性的主体化の核に置く脆弱なアイデンティティの持ち主たちが、「ジェンダーフリー」バッシングというミソジニーを、「よっ、ご同輩」と男同士の「同胞愛fraternity」のために利用するのはあまりにみえすいた構図だ。
 歴史には「一歩前進二歩後退」もあることを、過去の教訓は教えてくれる。未来は明るいばかりではない。というより、「明るい未来」はだまっていてもやってこない。ある朝起きてみたら、こんなはずではなかった・・・と思わないですむために、今、果たさなければならない責務がある。
『女性情報』2006年10月号より
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「ある朝起きてみたら、こんなはずではなかった・・・と思わないですむために」
おごらず、あせらず、あきらめず、
「いま・ここ」で、わたしにできることをやっていきたい。
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あけましておめでとうございます。

ブログの更新をずいぶんサボっていました。
ブログを3つも管理しているので、どうしてもメーンのブログばかり更新することになります。
とはいえ、今年4月は統一自治体選挙の年なので、一味変わった記事を工夫したいと思います。

みどり
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by midori-net | 2007-01-01 10:17 | 活動
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