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3‐4 市民型選挙のおちいりやすいワナ

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『市民派議員になるための本』
(寺町みどり著/上野千鶴子プロデュース/学陽書房)
3‐4 市民型選挙のおちいりやすいワナ

 市民型選挙にもおちいりやすいワナがあります。「教科書問題」「高速道路反対」などの個別の政策課題は、その人にとっては切実な問題かもしれませんが、これだけを政策としてかかげても当選しにくい傾向があります。
 なぜなら、特定の課題は、だれもが興味をもっているとは限らないからです。個別課題では、それに興味をもち、共感した人にしか投票してもらえません。だから個別課題ではなく、できるだけひろい範囲の政策を立てましょう。この注意は、市民運動出身の市民派候補者には、とくに大事なように思います。
 市民運動をやってきて、選挙も経験して学んだことは、「わたし」が正しいと思う政策だけをあげても、選挙になりにくいということ。それはなぜだろうと考えたとき、「市民がのぞんでいることはなにか?」という発想の転換がおきます。市民運動をやっていると、「わたし」のアピールを受けとらないほうがわるい、聞かないほうがわるいと思いこみます。「わたしたち正しいことをやってるのに、理解しない市民がわるい」って。わたしもそうでした。でも伝えたいことが伝わらなければ、言葉を発する側の伝えかたがわるいのです。「受け手にどんなメッセージを届けたら受けとってもらえるだろうか?」という発想は、市民運動だけを必死にやっているときは、余裕もないし、なかなか思いうかびません。
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